アレにもコレにも積んだのに…ターボに比べて影が薄い?三菱MIVECの悲哀
構造や実際の動作はかなり異なるものの、「吸気・排気ともにバルブの開閉タイミングやリフト量を電子制御で可変させ、高速用と低速用のカムプロフィールを切り替えてどちらでも最適なエンジン特性を追求する」という意味では、初期のMIVECとVTECは同じです。
ただ、DOHC VTEC版B16Aが170馬力(EG6シビックSiRなど)の頃に、MIVEC版4G92は175馬力を発揮し、ホンダが初代シビックタイプR(EK9)用のB16Bで185馬力を叩き出すまで、国産最強のテンロク自然吸気スポーツエンジンでした。
このMIVEC版4G92を搭載した代表作は、CA4A(4代目)/CJ4A(5代目)型のミラージュハッチバックとミラージュアスティですが、ミラージュセダンやその姉妹車ランサーにもこのエンジンを積んだものの、テンロクスポーツセダンとしては全くマイナーもいいところ。
むしろセダンは1.8リッターターボのランサーGSR/RSや、2リッターターボのランサーエボリューションといった「4WDターボ」が三菱の主流で、175馬力のFFスポーツセダンもあったなど、知らない人も多そうです。
同様に、2リッターV6DOHC MIVECで200馬力を発揮した「6A12」も、2ドアFFスポーツクーペのFTO用としては有名ですが、ギャランやエテルナ、エメロードにも同じ200馬力エンジンを積んだ、4ドアスポーツサルーンが存在したなど、誰が覚えているでしょう?
こちらもギャランVR-4など4WDターボばかり有名で、MIVECを使った自然吸気スポーツ仕様は日陰者で、中古車も全くと言っていいほど見かけません。
「ミラージュ(ハッチバックとアスティ)とFTO以外の三菱車って、スポーツ仕様はどれも4WDターボでしょ?」と思われていそうで、4WDでもターボでもないMIVECエンジン搭載車は、まさに「羊の皮をかぶった狼」と言えそうです。
シビックフェリオSiRやカローラGTはその名が知られているのに、いくら4WDターボがあるとはいえ、三菱の同クラス車はなぜこれほどマイナーで誰も目を向けないのか、不思議でなりません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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