虎魚は、高級魚の一種「オコゼ」の漢字表記のひとつです。
そしてこのオコゼは、日本においては「オニオコゼ」を指すことが多いです。

そこでここでは、なぜオコゼを「虎魚」と表記するのか。
そしてオコゼという名前の由来について解説します。

目次
「虎魚(オコゼ)」とは
 ・オコゼの大きさや姿
 ・オコゼの分布域
 ・オコゼは優秀なハンター
 ・オコゼには毒があるから注意!
 ・毒はあるけど食用にもされる
オコゼの旬は?
 ・「オコゼ」の名前の由来
 ・見た目が悪いという意味でオコゼ
 ・別名「ヤマノカミ」の由来もひどい

「虎魚(オコゼ)」とは

「虎魚」とはどんな魚?なぜその読み方は「オコゼ」となるの?その由来とは!!
(画像=『FUNDO』より引用)

オコゼは、フサカサゴ科やオニオコゼ科に分類される魚です。
オニオコゼの事を指すことが多く、市場では高級魚の一種となっています。

オコゼの大きさや姿

オニオコゼの体長約20cmほどですが、多くな個体ともなるとその全長は30cm程度にまで成長します。
このオコゼ、上向きの受け口を持ち、凶悪な顔つきをしています。

その多くが褐色系の体色となっていますが、色彩変異に富んでいます。
色彩変異とは、通常とは異なる体色をした突然変異の事なのです。
その色彩変異がオコゼの場合、黄金色やオレンジ色などの派手な色となることもあります。

オコゼの体の表面には、いぼや房状の突起があります。
これが褐色の体色と相まって、皮膚が剥がれてボロボロになっている様に見えることもあります。

オコゼの分布域

オコゼは、関東以南の太平洋と新潟県以南の日本海、および東シナ海に分布しています。
主に暖海性・浅海性で、沿岸から水深200mまでの範囲に生息しています。

また、底生性であまり泳ぎ回ることはなく、普段は海底に潜むように生活しています。

オコゼは優秀なハンター

海底で暮らすオコゼは、褐色の地味な体色を活かして砂や石に擬態しています。
そして、餌となる小魚などを待ち伏せ、素早く捕食する海のハンターでもあります。

オコゼには毒があるから注意!

このオコゼ、迂闊に触るのは危険な魚だったりします。
鋭い針のような背びれの中には毒性の棘があり、刺されると激しく痛みます。

毒はあるけど食用にもされる

オコゼは、背びれに毒を含むトゲがありますが、その部分を除いて高級魚として食用にもされます。
刺身・唐揚げ・汁物・煮つけなどどんな料理にしても美味しい魚です。

とても美味しいのですが、食用となる部分が少ないです。
それもあって、市場に出回るオコゼはとても高価です。

オコゼの旬は?

オコゼは、晩春から夏の暖かい時期が旬とされています。
歳時記でも夏の季語とされています。

しかし、冬の寒い時期もまた美味とされる他、産地によって旬は変わるともいわれます。

「オコゼ」の名前の由来

「虎魚」とはどんな魚?なぜその読み方は「オコゼ」となるの?その由来とは!!
(画像=『FUNDO』より引用)

オコゼは幼体だとかわいらしい外見をしているのですが、大きくなった成体は酷い言われようをしています。
特にその名前の由来からして酷い言われようなのです。

見た目が悪いという意味でオコゼ

オコゼという名前は、「見た目が悪い」という意味で付けられました。

オコゼの「オコ」とは、顔が笑えるくらいに愚かでなおかつ奇怪なことや醜いことを意味しています。
そして、「ゼ」は魚名語尾につく言葉となっています。
つまり、「ひどく醜い魚」という意味だということになります。

今の時代だと、コンプライアンスに引っ掛かりそうなくらい酷い理由ですね。

別名「ヤマノカミ」の由来もひどい

オコゼは、「ヤマノカミ」という別名でも呼ばれます。
この俗称は、本種の干物や干し魚を山の神への供物にする風習があったことから来ています。

その昔、山の神は不器量なうえ嫉妬深い女神と考えられていました。
そんな山の神に、醜いオコゼの顔を見せると安心して静まると考えられていました。
その風習から名付けられた名前だとされています。