減速しているのに……ブレーキランプが点かない!

ブレーキランプが“点かない”、“点きすぎる”迷惑車、「実はドライバーのせいじゃない?」一体なぜ?
(画像=©OB production/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

ブレーキランプの点灯タイミングに影響する技術としては、ハイブリッド車の「回生ブレーキ」が挙げられます。とくに回生ブレーキを用いたワンペダル機構を搭載する車種などについて、「減速しているのにブレーキランプが点かない」という点を懸念する人が多いようです。

「日産のe-Powerの車種で、車両が減速して停止するまでブレーキランプが点灯しないケースを見かけます。それが原因で危ない状況になっている場面も目撃したことがあるので、減速時のブレーキランプ点灯タイミングについて、改善されるといいなと思います」(50代男性・地方公務員)

アクセルペダル1つで加速はもちろん減速操作のほとんどをカバーする日産のe-Pedalは、ブレーキランプの点灯タイミングを「ペダルの操作」ではなく「減速G」によって制御しています。そのため、規定のGに至らない程度にアクセルを緩め、ゆっくりと減速していく場面などにおいて、ブレーキランプが停止するまで点灯しないケースが報告されています。

この問題を考える際に難しいのは、回生ブレーキによるブレーキランプの点灯タイミングが保安基準において厳密に定められているという点です。点灯タイミングは「減速度」に応じて規定され、減速度0.7m/s2以下の場合は「禁止」、減速度0.7m/s2を超え、1.3m/s2以下の場合には「任意」、減速度1.3m/s2を超える場合は「義務」とされています(2011年の改正以前は回生ブレーキによる点灯そのものが禁止)。

e-Pedalにおけるブレーキランプ点灯のタイミングもこれに準じているため、減速度0.7m/s2以下の状況では法律上点灯させることができません。そのため違和感のあるタイミングは、メーカー側の問題というよりも、制度上の問題という面が強いのかもしれません。

技術が多様化・高度化することで、ブレーキランプの点灯タイミングにも思わぬ変化が生じています。前走車のブレーキランプに違和感がある場合には、それがドライバーに由来するものではなく、技術的なものである可能性を念頭に置き、状況に応じて対応できるよう車間距離を意識して運転することが望ましいのでしょう。

文・鹿間羊市/提供元・MOBY

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