秋篠宮邸の工事費について不明朗だと週刊誌が叩いているが、まったくの見当外れである。
そこで、「秋篠宮邸の大改修が「ムダ遣い」って本当?“天皇退位”時の無計画さも影響か」という記事をDiamond Onlineで書いたのでその要点と、深掘りをしたい。
秋篠宮邸の大改修が「ムダ遣い」って本当?“天皇退位”時の無計画さも影響か ダイヤモンドオンライン
そもそも、なんでこの工事が必要になったかというと、本来はご即位に伴い、陛下が皇居内の御所に入り、空いた東宮御所に皇嗣たる秋篠宮殿下ご一家が入るはずだった。

秋篠宮家 宮内庁HPより
ところが、上皇ご夫妻の行き先(仙洞御所)が問題になった。候補としては、香淳皇后の崩御で空き家になっている旧吹上大宮御所、高松宮の薨去で空き家だった高輪皇族邸、秋篠宮殿下が東宮御所に移られたあと、京都大宮御所、あるいは那須や葉山の御用邸といった場所も候補だったし、皇居でも赤坂御用地でも空き地はいくらでもあった。
そもそも、御退位は、終身在位が原則であり、明治体制での終身在位もそれを見ならったヨーロッパ各国において、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スペイン、バチカンで生前の退位が行われるようになったので、それにならうという性格のものだった。
もちろん短期間なら摂政というのもありだが、超長寿化の進展で、相当の長い期間、摂政でというのはあまり好ましくないという配慮もあった。
そんなわけで、退位した前国王はほぼ完全に引退し、小さな離宮のようなところで、少人数のスタッフとともに過ごされている。スペインの場合はスキャンダルに巻き込まれて前国王は、中東に出国して暮らされている。