日本の国民はおとなし過ぎる

筆者がいつも理解に苦しむのはこのように国民が苦しい生活を余儀なくさせられているのに国民から国の政権を揺るがすほどの抗議運動が起きないという不思議さである。他の国であれば自民党が野党に下って政権交代があって当然である。

例えば、5年続いた安倍政権での成長率が実質0.9%しかなかったのに、彼に代わる政権が野党から誕生しないという不思議である。そして金融緩和が功を奏していないと分かっていてもそれを今も継続している愚鈍さ。

金融緩和で低金利はもう景気の回復には有効ではない。なぜなら先行き不安な未来であるだけに低金利であっても企業は敢えて投資はせず現状維持を守ろうとする。低金利は景気を刺激することに貢献しなくなっているのである。

国民も先行き不安であるからできるだけ貯金しようと心がけて無駄づかいをしようとしない。それに味方するかのように、日本はインフレが低い国だから物価の上昇も他国と比較して低い。しかも企業間では出来るけ安くて良いものを市場に提供しようという姿勢が今も継続しているから企業は利益率を下げても安価に提供しようとする。そのしわ寄せがまた社員の昇給を妨げる要因にもなっている。日本人はますます貧困になっているのである。

日本の行く先はアジアの孤島

現状の日本をこの先も継続させれば、日本はアジアで未来の無い孤島になってしまうのは必至である。筆者が改革の必要性を強調するのは、今の子供たちが大人になった時に現状のまま改革の無い日本であれば非常に悲惨な生活を余儀なくさせられるからである。しかも、そのような悲惨な社会にしてしまうのは彼らの責任ではなく、今の大人たちの責任である。特に、政治家の責任である。その責任を今の子供たちが将来背負うことになるのは是非とも避けねばならない。

今の政治家からは将来の為に国を良くしようという意欲も情熱も感じられない。また無能である。現在の社会システムの中で動かされているだけである。特権階級に甘んじている彼らの方から自らの政治生命を賭けてそれを変えようとはしない。一人の議員を維持するのに国民は1億円相当を負担しているというのを国民は知っているのであろうか。

そのようなことを考慮すると、新しい政党の誕生が絶対に必要である。財政緊縮、精神と教育改革、デジタル化の早急なる推進、独自の外交、諜報機関の創設、貧困への取り組み、IT産業を推進すべく頭脳集団の外国からの積極的な受け入れ、移民対策、衆議院と参議院の定員削減、社会保障制度の改正などなど。早急に取り組み改革して行かねばならない課題は山積みしている。

先ずはその新しい政党に過半数の議席を獲得させ、必要な改革を断行して行く。そうすることによって、初めて国民は日本の未来に期待が持てるようになるのである。時は待ってはくれない。今も日本の衰退は毎日発生しているのである。自民党は既に消滅した恐竜でしかない。今の野党は政権を取れるような体制になっていない。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?