菅義偉前首相や、河野太郎デジタル相らの言及により、ライドシェア解禁に関する議論が、にわかに活発化しています。

「ライドシェア」(相乗り)は、世界各国で広がりをみせ、その市場規模は、2020年に764.8億ドル(約9兆円)、2021年から2028年までの年間平均成長率(CAGR)は16.3%を示したそうです。また、2028年には2,427.3億ドル(約30兆円)規模に達すると予測が行われているようです。

※Fortune Business Insightsのレポート「ライドシェアリング市場規模、シェア、成長、予測【2028年】」

ライドシェアサービスを生活に取り入れているという海外在住者に株式会社ロコタビがおこなった聞き取り調査の結果と、ナイル株式会社がスマートフォンユーザー向けアプリ紹介サービス「Appliv(アプリヴ)」を通して、20~60代のビジネスパーソンを対象に行った調査結果をそれぞれ紹介します。

ライドシェアとは?

ライドシェアを日本語に訳せば、文字通り「相乗り」を指します。

従来からアメリカ合衆国では、出発/目的地を同じくする人が通勤時間帯に自家用車を相乗りする「カープール型」をはじめとして「バンプール型」「カジュアルカープール型」など「相乗り」も交通手段となっていました。

現在、解禁するか議論されているライドシェアは、近年、海外で主流となっている有償サービス「TNCサービス型」を指します。

このTNCサービス型ライドシェアは、事業者が提供するスマートフォンアプリなどプラットフォーム上で、ドライバーと乗客をマッチングします。ドライバーは所有する自家用車をもって、有償で運転サービスを提供するという仕組みです。

すでに海外では広く浸透していて、米・Uber(ウーバー)、中国・DiDi(滴滴/ディディ)などが知られています。

国土交通省・国土交通政策研究所(PRI Review)資料|ライドシェアとは何か?

認知度は7割超

日常生活でタクシーを利用するビジネスパーソン463人に「ライドシェア」を知っているかをたずねると73%(338人)が「知っている」と答えています。

また、知っていると回答した338人の38.2%は、海外で利用した経験があるといいます。

ライドシェアの安全性は?

ライドシェアの安全性については、「安全だと思う(8.6%)」「比較的安全だと思う(32.8%)」と考える人が41.4%を示しました。一方で、およそ20%の人が「危険だと思う(5.0%)」 「比較的危険だと思う(15.7%)」と考えていることもわかりました。

利用者の観点で「見知らぬ人」と同乗して、万が一トラブルが発生したときや、一定の運転技術やマナーが保証されていないことなどが気にかかるという人がいても不思議ではありません。

また、実際にサービスを提供するドライバーとなったときにも不安を感じる人が、少なからずいることでしょう。