専門家の予想は?

米国では住宅所有者の大多数が30年固定の住宅ローンを組んでいるとされる。専門家らは、価格高騰および住宅供給不足の背景に、低金利の時期に物件を購入したオーナーが、高金利での買い換えを控えている点を挙げている。イリノイ大学の研究者ら行った調査によると、住宅ローンの金利が1%上昇すると、引越し率が9%減少するという。

先述の全米不動産協会は7月末の発表で、30年固定平均住宅金利は年内に6.4%に低下し、2024年には6%まで下がると予測。2023年の中古住宅価格の中央値は前年比で0.4%下落し、38万4,900ドルに達するとした。2024年には2.6%上昇して39万5,000ドルになると予想を示した。

不動産リスティングサイトのZillowのエコノミストは、金利上昇と受給の逼迫が緩和されるとの予測の上で、2024年8月までの住宅価格の上昇率は4.9%になると予想。8月に新規に売りに出された物件数が4%増加したことなどを理由に、7月に示していた予想値(6.9%)を下方修正した。

連邦住宅抵当貸付公社は先月の発表で、住宅価格は今後12ヶ月間で0.8%上昇し、その後12ヶ月でさらに0.9上昇すると予測した。供給量の逼迫とミレニアル世代の大規模な集団が、住宅購入の最盛期に到達することが価格上昇を牽引するとの分析を示した。