スロープノーズの特徴
ここからは、スロープノーズの特徴を解説します。
シャンプーハット
このシャンプーハットは、スロープノーズ最大の特徴で、生き物が発生させる振動や音を再現して魚にアピール。ルアーが前側に滑らないで、一か所で何度も動かして魚を誘うことが可能です。
現代のルアーのラインナップにも十分組み込める使い分けの幅があるものだと思います。
スロープした先端
スロープノーズの語源にもなったこの鼻先は、ルアーをアクションさせたときに鼻先が水の抵抗で持ち上がるのが特徴。
ボディーが水中に潜り込みにくくなり、ボディー全体で水を押し出して強い水の押込みを発生させられます。更に鼻先で水を叩くような動きになるので生き物的な複合的な水音を出せます。
トッププラグを始めとしたルアーの特徴が最も出るのは鼻先のデザインです。糸から入力されたアクションを一番先に受ける部分であり、受けた水の抵抗がルアーの全身の挙動に繋がることを考えると、鼻先のデザインに拘りをもって世に放出したへドンさんは、現代のアングラーも多くを学べる程にルアーに対する見識は深いのだと実感します。
ブルーヘッドの意味
現代のアングラーでも迷う要素のひとつがルアーのカラー選択。へドンさんはこの一つの選択肢を120年も前に私達アングラーに提示してくれています。
今はほとんど見ることがないブルーヘッドというカラーですが、これはレッドヘッドの色違いではありません。ブルーヘッドは、魚の視界上にルアーを置いたときに魚から見える背景色。つまり、空と水面の色を溶け込ませたカラーなのです。
このスロープノーズを空にかざしてみると、曇りのときは白い光にボディーのシルエットが溶けて見えます。
一方で、青空には頭のブルーが溶け込むようになっています。これが水中のような光の反射が不規則な世界に投げ込まれると、シルエットが溶けたり浮かび上がったりするのです。
スロープノーズはトッププラグなので、ブルーヘッドだけでも十分面白くて実践的。これをジャークベイトやクランクベイトと仮定してもこの色の選び方は使えます。水面以外でも同じ効果を期待できるでしょう。
例えば、水深2mの沈みものに魚が多く付いていて、ベイトフィッシュの層がその少し上の1mを泳いでいるとします。その場合、下から上にバスの視線があるので、下側から見えるお腹や側面を水の色や1m付近のカバーの色などに合わせたり逆に目立つような反対色にしたりすると魚への見せ方を変えられます。