国内の大手証券会社と言えば、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5大証券を指すことが多い。近年では手数料が安いネット証券の勢いが増しているが、大手証券会社と付き合うメリットとは何か。

規模では大手証券が圧倒、手数料ではネット証券に軍配

大手証券会社とネット証券には具体的にどの程度の差があるのだろうか。規模と手数料の観点から、簡単に比較を行ってみよう。

預かり資産、営業収益——大手証券会社がネット証券を大きく引き離す

大手証券会社は規模の面でネット証券を圧倒している。ネット証券最大手のSBI証券と比較してもその差は非常に大きい。

たとえば野村證券の場合、連結ではあるが預り資産は117.7兆円(。それに対してSBI証券は12.8兆円と実に9倍超の差がある。大手証券会社で預り資産がもっとも少ない三菱UFJモルガン・スタンレー証券でさえ37.8兆円と約3倍の規模を誇る。

売上高にあたる営業収益においても、野村證券単体で6,898億円、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で2,619億円で、SBI証券は1,167億円だった。(※以上のデータはすべて2018年3月期決算による)

取引手数料——大手証券会社のほうがネット証券に比べて高い

大手証券会社とネット証券では手数料に差がある。たとえば国内株式を100万円現物取引した場合、手数料は野村證券のネット専用口座で税込1,029円、店舗での取引口座で税込5,983円。ネット証券最大手のSBI証券のスタンダードプランでは税込525円なので、大手証券会社のほうが圧倒的に高い。

手数料が高いのは、5大証券はすべて対面型の証券会社であり店舗を維持するためのコストが必要なためだ。ネット証券と比べると、大手証券会社はコスト構造で分が悪く、手数料だけを比較したらネット証券にはかなわない。

しかし取引手数料が高くても大手証券会社と付き合うメリットはあるのだ。

大手証券会社のメリット1……豊富な情報力と質の高いアナリストがいる

大手証券会社は多くのアナリストを抱えており、詳しい投資情報やレポートを見られる。銘柄ごとのレポートも幅広い範囲をカバーしており、投資情報の収集には役に立つだろう。

アナリストの質も高く大手証券会社のアナリストはさまざまなアナリストランキングで上位にランクインしている。

たとえば「日経ヴェリタス 第31回アナリストランキング」では、証券会社の総合ランキング1位が大和証券グループ、2位がみずほ証券、3位が野村證券グループと、大手証券会社がベスト3を独占している。ネット証券ではSBI証券の20位が最高だった(※日経ヴェリタスが2019年3月に発表)。他にも多くのアナリストランキングがあるが、上位には大手証券会社が多くランクインしている。

大手証券会社のメリット2……ネット証券にはない豊富な商品ラインナップ

大手証券会社はネット証券に比べて商品のラインナップが多い。特に、ネット証券にはない株式や債券などの募集物が魅力だ。市場外で株式や債券を購入できるチャンスが多いとところもメリットだろう。

大手証券会社は総合証券として販売部門だけでなく、企業からの株式や債券などの引き受けを担う投資銀行部門にも力を入れている。企業から引き受ける株式の公募増資案件や債券の募集案件などが多くあり、商品ラインナップの充実につながっているのだ。

大手証券会社はIPOの主幹事件数も多いが配分方針には注意

募集物と言えば新規株式公開(IPO)があるが、大手証券会社はIPOの引き受けにも力を入れている。

2018年には東証1部、2部、マザーズ、ジャスダックを合わせて89社のIPOがあったが、その内、大手証券会社が主幹事を努めた案件は76件と85%に上る。もっとも多く主幹事を獲得したのは野村證券で23件、一方、ネット証券で主幹事を努めたのはSBI証券のみで10件だった。

IPOでは原則として主幹事にもっとも多くの株式が割り当てられるため、一見、大手証券会社のほうがIPO当選への近道のように感じられる。しかし対面取引での優良顧客が多くいて、優先して配分しているため当選確率は高くない。

たとえば野村證券では人気銘柄のIPOを抽選にまわす割合は10%程度だ。大手証券会社は口座数や引受株式数が多くとも当選する可能性は高くないのだ。

一方でネット証券の多くはIPO銘柄を抽選にまわす割合が高い。SBI証券では引き受け株式数の内、45%も個人投資家に割り振られる。

また楽天証券やマネックス証券では原則として100%抽選にまわされる。特にマネックス証券では資金力によらない平等な抽選を実施している。

大手証券の配分方針を考えると、主幹事数が多いからといっても必ずしもIPOに当選しやすいとは言えない。

大手証券会社のメリット3……対面での相談が可能

大手証券会社は対面型の証券会社であり店舗での投資相談も可能だ。投資に慣れていない初心者の場合は対面で相談ができるというのは大きなメリットだろう。国内の主要都市の中心部に支店を構えているため利便性も高い。

ネット証券でもコールセンターを充実させているが、多くの場合は事務的な相談が対象だ。具体的な投資のアドバイスを得たいという場合は、大手証券会社を活用したい。

大手証券会社でも条件によっては口座管理料が無料に

このように大手証券会社と付き合うと、複数のメリットがある。近年では条件によっては大手証券会社でも口座管理料を無料としているところも多いため、大手証券会社にも口座を持っておくといいだろう。

文・MONEY TIMES編集部

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