人類の積年の悲願である“労働から解放される日”が遂にやって来るのか。ノーベル賞経済学者は「ChatGPT」のような人工知能の出現によって、近いうちに週4日勤務が標準になり、余暇を楽しむ時間が増えると説明している。

AIの普及で「簡単に週4日勤務制に移行できる」

 これまでの対話型AIとは一線を画すといわれている最先端のチャットボット「ChatGPT」の登場が世間を賑わせているが、2010年にノーベル経済学賞受賞を受賞したクリストファー・ピサリデス教授は、人工知能が我々の生活を楽にし、週4日勤務につながる可能性があると主張している。

 人類社会が労苦を伴う労働から解放される日が徐々に近づいているのだろうか。だとすれは人類の“悲願”の達成が近いことになる。その第一歩が「週休3日制」であるというのだ。

「簡単に週4日勤務制に移行できます」(ピサリデス教授)

 AIによる自動化が仕事に与える影響に関するレビューを主導したピサリデス教授はAIのポジティブな影響を強調しているのだが、その一方でAIの進歩と普及が広範囲に及ぶ人員削減を引き起こす可能性があると懸念する人々もいる。

ノーベル賞経済学者「AIの普及で週休3日制になる」 ChatGPT開発者は急速な雇用減少を懸念
(画像=画像は「Pixabay」より、『TOCANA』より 引用)

 最近のゴールドマンサックスのレポートでは、AIの普及によって世界中で3億人の雇用が危険にさらされる可能性があると推定している。また今話題のチャットボット「ChatGPT」を開発したOpenAIの責任者であるサム・アルトマン氏は、テクノロジーが急速に仕事を奪ってしまう可能性について「少し恐れている」ことを認めているのだ。

「人類は数世代にわたって、主要な技術の変化に素晴らしく適応できることを証明してきたと思います。しかしこの変化が1桁の年数で起こるとしたら……。それが私が最も心配している部分です」(アルトマン氏)

 最近の自身のブログでアルトマン氏は今後5年以内にコンピュータープログラムが法律文書を読み、医学的アドバイスを与えることができるようになると示唆している。そして10年以内にAIは工場の組み立てラインを操作し、頼もしい工場主任になるということだ。

「その後数十年で、『すべて』の概念を拡張する新しい科学的発見を含め、ほぼすべてのことを(AIが)行うでしょう」(アルトマン氏)

 今から5年先と10年先に労働環境に大きな変化が訪れ、そして数十年先に人類はほぼ労働から解放されるというロードマップが敷かれたことになる。その未来ははたして夢に溢れたユートピアなのか、あるいは絶望に打ちひしがれたディストピアなのだろうか。

ノーベル賞経済学者「AIの普及で週休3日制になる」 ChatGPT開発者は急速な雇用減少を懸念
(画像=画像は「Pixabay」より、『TOCANA』より 引用)