「経験と想いを熱く語る」ことで、25歳のときにアナウンサー職に選ばれたという松下公子さん。その当時は、新卒で入社した企業を退職してアナウンサーになることを志すフリーターだったそうです。
現在は、アナウンサー志望者の内定獲得をサポートするSTORYアナウンススクールの代表として、さらにはスピーチコンサルタントとしても活躍しています。
転職面接や、良い話し方についてお話をうかがったインタビュー前・後編に続いて、「話し方」に悩んでいる編集部員が、松下さんに相談する機会を特別にいただきました。
話し方に悩む人に、スピーチコンサルタントとしてどのように対応・指導してくれたのか……実際の様子を紹介します。
松下公子さんに転職面接の秘訣を訊いた前編はこちら、良い話し方について訊いた後編はこちらから
まずは相談者の話を聴くことから
夢を叶えて、みなさんいい笑顔!アナウンススクール内定会での松下さん(前列左から3人目)
相談者:YouTubeで、国際ニュースを自分で喋って紹介する動画を配信していて、真面目にするときと、ちょっとふざけたりしたいときのテンションを、どう使い分けをしたらいいかわかりません。
松下:それは、チャンネルのコンセプトによってアプローチは変わりますね。「情報バラエティー」という言葉があるように、難しいニュースをおもしろおかしく紹介することもできるし、真面目に紹介することもできますよね。
相談者:真面目なだけだと視聴者層が限られてしまうし……。たとえば「インドが今、注目を集めています」というようなニュースであれば、視聴者が飽きないように、明るいトーンで自分の感想も交えながらやわらかく伝えるのがいいのでしょうか?
松下:両方織り交ぜたいってことですね。YouTuberが配信するニュースには、テレビなどのニュースとくらべたときに「プラスアルファ」があることが大事だと思います。
配信者の想いが込められているから、その人の視点がわかりやすく紹介されているから……どんな「プラスアルファ」を付け加えられるかを考えてみてください。
悩みはいよいよ本題に
相談者:僕は声が低くて、明るく喋っているつもりでも相手に冷たい、暗い印象を与えているようです。これは声のトーンをあげて話すしかないのでしょうか。話し方の工夫として取り入れられることはありますか?
松下:今、喋っていて、高いトーンを意識していますか?ご自身にとっては高い/低いどちらのトーンでしょうか?
相談者:ちょっと(トーンを)あげてます。
松下:それは意識をして、ですか?
相談者:今は、やや意識をしています。普段は相手によるかもしれません。
松下:苦しくないですか?
相談者:苦しくはないですが、うるさく感じられていないかな、と気になります。
松下:声が低いことを気にされているようですが、いい声、響きのある声ですよ。今の話し方は聞き取りやすいし、冷たい印象は感じません。ご自身でどう思われますか?
相談者:たしかに自分できちんと前もって原稿を用意して、気持ちを込めて話した配信では、褒めていただくこともあります。
松下:どんなところを褒められましたか?
相談者:動画をご覧になった人からどんなマイクを使っているか、と質問されるんですが、ただスマートフォンのマイクで録っているだけなので……。
松下:それは声がよかった、と褒められたんですね!