AIの発展とともに人間の仕事がAIに置き換わる、仕事が奪われると話題になっている。特にChatGPTをはじめとした生成AIの登場で議論はさらに活発になっている。この仕事は残る、この仕事は消える、そんな話も多数目にする。

しかし本当に議論すべきは2〜3年以内に訪れる大きな変化だ。AIを活用する人がそうでない人を置き換える時代が到来する。それにより多くの人が仕事を奪われると、専門家は警告する。そしてこの格差は既に生まれはじめている。

AIの進化で世の中がどう変わるのか? 現時点でAIを活用する人とそうでない人はどれくらい生産性に差が生まれるか。

生産性の高い働き方を追求する時短コンサルタントの立場から考えてみたい。

Galeanu Mihai/iStock

たった数ヶ月でChatGPTの知能は10倍になった

Google Xの元最高業務責任者であり、IBMからマイクロソフトまで業界の最先端で働いてきたモー ガウダット氏。世界25カ国で翻訳されているベストセラー「Solve for Happy」で知られる人物だ。

ガウダット氏はAIが世界に与えるインパクトは気候変動よりも大きく、コロナよりも遥かに大きいと語る※。しかもその変化は遠い未来ではなく2025年や2026年に訪れるという。AIが信じられないスピードで進化しているからだ。

※『The Diary Of A CEO』YouTube

モー氏によれば現在有料で提供されているChatGPT-4は旧版3.5の10倍賢いとされる。その変化は数ヶ月で起きた。ChatGPT-4のIQはテスト結果で評価すると155にのぼるという。アインシュタインは160。あと数ヶ月でChatGPTの知能がさらに10倍になるとしたら?その時世界は大きく変わるとモー氏は指摘する※。

※『Impact Theory 』YouTube

ChatGPTはわずかな費用で利用可能となっている。それを使いこなせるかどうか?つまりAIを活用する人がそうでない人を置き換える時代が到来するのだ。

それにより多くの人が失職することになる。2040年、2050年代にAIは人類に繁栄をもたらすかもしれない。しかしそこに至るまでの過渡期に悲劇が起こる。

指示するだけで本1冊が書ける時代に

「AI格差」の兆候はすでに出はじめている。その例としてMo氏は本の執筆をあげる。ChatGPTに本のテーマについて50個主要な項目を示し、それぞれについて2ページずつ書いて編集しろと指示すれば本を書けるというのだ。

嘘だと思うかもしれない。しかし堀江貴文氏は実際に自身の著書※の99%をChatGPTで書き上げたとしている。

※『夢を叶える力: 世界初?AI(CHATGPT)で99%書かれたビジネス書 (ホリエモン出版 2023)』

筆者がこうした記事を書く時にもChatGPTに叩き台を作らせてから書くことも可能だ。堀江氏の著書※ではプレスリリースを書く場合、工夫すればChatGPTで完成度80%ぐらいのものを作れると書かれている。

これまでならば、広報が30時間もかけて月に5本のリリースを書いていたのが15時間に半減させることも可能になるとも説く。これだけでも作業時間は半分、効率は二倍だ。

同書ではChatGPTを使えば対談記事が一瞬でできるとも書かれている。