
ARGENTINA, ¿Por qué incrementa la pobreza? 11-09-2023.
20世紀初頭の経済大国アルゼンチンは100年後の今、長期の経済低迷、高騰インフレそして貧困層の増加で苦しんでいる。
今回取り上げたいのは貧困層の増加についてである。歴代大統領で最悪の大統領と評価されているアルベルト・フェルナンデス大統領の政権下での貧困率は39.2%に達している。即ち、1800万人が貧困者ということだ。
前任者のマウリシオ・マクリ大統領の時の30%の貧困率を批判して大統領になったフェルナンデス氏であったが、彼の政権下で逆に貧困率は増加している。それもあって、フェルナンデス大統領は二期目の出馬再選を断念させられた。
更に深刻なのはその8.1%(370万人)が絶対的貧困者とされていることだ。即ち、生きる為に最低限必要な食料など生活必需品さえも必要なだけ購入できない人たちだ。そして14歳未満の子供だと二人にひとりが貧困者となっている。
特に、コロナによるパンデミックが貧困層を増やすことに影響した。パンデミックの最盛時には貧困率は42%にまで到達した。
貧困層の家庭での毎月の平均収入はドル換算でおよそ390ドル。ところが、食料など生活必需品は613ドルが必要とされている。即ち、生活するのに必要な物がすべて購入できないことを意味する。
通貨ペソの対ドルの終わりなき切り下げが貧困層を増加アルゼンチンでなぜこのような事態が発生するのか。理由は長期のインフレによる通貨の切り下げである。公式レートでみると2020年8月のペソの対ドルレートは74ペソ。それが先月8月の公式レートは349ドル。闇市場では700ドルを超えている。しかも、昨年のインフレは95%。今年は135%以上が予測されている。貧困者の収入が増えることがないのに継続したペソの切り下げで商品価格が上昇しているから貧困者にとって購入できるものが次第に減少している。
現地紙「イ・プロフェシオナル」が8月31日付で最近4人の大統領の政権時のインフレ上昇率についてグラフにしている。