黒坂岳央です。
SNSが発達した現代、バカになり切ることは利口に見せるよりもはるかに難しくなった。誰もが「自分は優秀だ」と自分を大きく見せたがる。そうしないと他人からバカにされ、自信をへし折られてしまうのが怖いからだ。つまり、承認欲求がバカになる勇気を奪い取ってしまっているのである。
だが正直なところ、ある種の成功にはバカになる勇気が必要だ。口で言うのは簡単でも、実際にこれをできるだけの勇気を持った人は非常に少ない。本稿ではバカになる勇気を説きたい。

conceptualmotion/iStock
世の中の利口と言われる人たちはシミュレーションが得意である。行動に移す前から、あれこれ先読みと計算をして行動する前にやる価値があるか?ないか?を決める。そうなると必然的に行動量が減る。行動に移す前に考えるから、彼らはほとんど失敗しない。仕事でも学校でも優秀と言われる人たちがミスをしないのは、よく考えているからだ。
しかし同時に「成功か失敗か分からない挑戦」を戦略的に避けてしまっていないだろうか。だから直近、3ヶ月間で記憶に残るような失敗をしていない人は、新しい分野への行動力が足りないと言える。一切失敗しないような簡単なことしかやっていないという裏返しでもあると思うのだ。
バカである強みバカを受け入れる強みは大変大きい。
世の中には「やってみないと分からないこと」はあまりにも多い。自分は28歳で今の妻と出会ってその後結婚をしたが、当時結婚や子供を持つということは人生で一瞬たりとも考えたことがなかった。周囲からは「子供や結婚はよく考えた方がいい」とアドバイスを受けたが、同棲して少し一緒に住んで見るテストを経て、その後はあまり何も考えずに結婚をし、子を持った。理由は「楽しそうだから」である。
先のことは何も考えていなかった。人から見ればバカな行動と映るかもしれない。しかし結果としてこんなにいいものとは思わなかった。おそらく、あれこれ悩みすぎていたら今得ているチャンスを逃していたかもしれない。(自分はただ運が良かっただけかもしれないが…)。
起業も投資も周囲から「失敗したら地獄が待ってる」みたいに恐怖を吹き込まれてきたが、ビクビクしながらやってみた結果、想像以上にたくさんの失敗をした。だがしっかり命綱を握ってリスクコントロールしていたので、リスクは別に大したことはないと拍子抜けしてしまった。だがやってよかったと思うことは数え切れないほどあった。リスクは極限まで抑えられるのに、リターンが青天井、これならやらないのはもったいないと思えてしまう。
「新しい挑戦はあまり考えずにまずやってみる。やってみてダメならその都度、betterな道を選択し続ければやがて納得の行く道へと至る」、自分はある種、あまり考えすぎずノーテンキとバカにされるような心情でやってきたがこれで良かったと思うことは多かった。失敗や周囲からの嘲笑を受け入れる勇気を持った先にはとてつもないリターンが待っているのだ。