近江商人が商売に当たっての行動規範として定めたのが「三方よし」です。

三方よしとは、「売り手によし、買い手によし、世間によし」を指します。

私は無意識のうちに、ビジネスをやるかやらないか迷った時、この「三方よし」が成り立つかどうかを判断基準にするようにしていることに気が付きました。

ビジネスを展開する上で、まず当たり前のことですが、自らが利益を得る必要があります。最初から利益を求めないのは、ビジネスではなくボランティアです。

しかし、一方的に自分の利益だけを追求するのではなく、顧客やビジネスパートナーにどのようなメリットがあるのかを考えることも重要です。

一方的に自分だけが利益を上げるやり方では、相手が不満を感じるだけです。相手にも利益がなければ、目先はうまくいっても、長期的には商売として成り立ちません。

それだけではありません。世の中にとって意義がある商売でなければ、社会に受け入れられることもなく、これも存在価値はないと言えます。

自分、相手、そして社会。それぞれにメリットがなければ、そこには何か構造的な問題があると考えるべきです。そうであれば、もし自分に利益があったとしても、積極的に進めるべきではないのです。

私は2012年に資産デザイン研究所を設立してから、まもなく11年になろうとしています。