僅差の5位~7位クラブの争い
ではJ2第35節終了時点、5位から7位のクラブと勝ち点を見てみよう。
- 5位:V・ファーレン長崎(勝ち点55)
- 6位:ジェフユナイテッド市原・千葉(勝ち点54)
- 7位:ヴァンフォーレ甲府(勝ち点52)
上位4クラブのうち2クラブがほぼ確実にプレーオフへ回ると仮定すると、5位や6位のクラブにとって手強い相手になることは想像に難くないが、まずはプレーオフ圏(6位以上)に入り挑戦権を獲得しなければ始まらない。
得失点差も含め5位につける長崎が優位と思われる一方、第36節から首位町田、3位磐田との連戦が組まれており、ここで連敗すれば一気に順位を下げる恐れもあるだろう。
直近5連勝で一気に駆け上がってきた6位の千葉も、残りの対戦カードのうち今季勝利を挙げているのは東京Vと長崎の2つのみ。簡単な戦いではないが、連勝中の勢いのまま突き進むことができれば、一気にプレーオフ圏の維持が現実味を帯びる。第37節での勝ち点の近い9位ファジアーノ岡山との対戦は、今季最初にドローゲームとなっているだけにターニングポイントになるだろう。
そして、このままではプレーオフへの道が断たれる7位の甲府。この先のカードを見ても長崎同様、昇格への道のりは険しい。第36節では2位の清水、さらに首位町田、5位長崎と、ここから上位勢との直接対決を多く残している。また開幕以来上位をキープしているものの、8月以降の白星はわずかに1つのみ。清水、町田に対してはシーズン序盤で勝利を挙げているが、同じ結果を残せなければ一気にプレーオフ戦線から脱落する可能性も高い。
勝ち点差3でプレーオフ入りを争うこの3クラブの中では、勢いのある千葉が優勢とみられ、長崎と甲府は残る上位勢との対戦で勝利し、勝ち点をものに出来るかが大きなカギとなる。
勝ち点51で並ぶ8位~11位クラブ
そして今季のプレーオフ圏争いをより混戦模様にさせているのが勝ち点51で並ぶ4クラブである。
- 8位:ザスパクサツ群馬(勝ち点51)
- 9位:ファジアーノ岡山(勝ち点51)
- 10位:モンテディオ山形(勝ち点51)
- 11位:大分トリニータ(勝ち点51)
最も不気味なのは8位の群馬だ。6位の千葉とわずか勝ち点3差でプレーオフ圏外に甘んじている。消化試合が2試合少ないことも大きなアドバンテージと言える。さらに残り9試合中7試合のカードで今季勝利を得られている。ここから逆転でプレーオフを狙うクラブの中では最も可能性が高いと言えよう。
また、9位の岡山も残り7試合の対戦カードでは今季の対戦成績が4勝2分1敗と好成績。第36節の磐田戦で開幕戦同様(3-2)の結果を再現できればプレーオフが近づくことは間違いない。
どうにも読めないのが10位山形と11位大分の2クラブだ。
10位山形は今季連勝と連敗を繰り返しており、時期によって明らかな波がある。引き分け数3はリーグで最も少なく勝敗を明確に決めてきているが、勝敗数はいずれも16と五分五分。残り7試合の対戦カードを見ても、今季の戦績は3勝1分3敗とフラットで非常に予想しにくい。ただし、うち5試合が下位勢とのカードであり、下位勢相手に白星を積めるかが明暗を分けるだろう。また今季の流れが続くとすれば、引き分けを挟んで3戦勝ち無しの後前節では勝利を挙げていることから、今後再び連勝という期待も膨らむ。
11位大分は開幕から夏までは好調を維持してきたが、怪我人が相次ぐなどし7月以降に挙げた白星はわずかに2つ。悪い流れを断ち切れないまま終盤戦へと突入している。第36節の相手は12位の水戸ホーリーホック。大分と対照的に直近10戦負けなしで、9月に入って3連勝中と勢いに乗っている。水戸に第11節で敗北している大分が、この勝負で悪い流れを断ち切れるかどうか、命運を分ける試合になりそうだ。