世にたくさんあるものを意味する「有象無象」。
「象」という漢字から、鼻の長い動物のゾウとの関連性を考えてしまいますが、両者には特段結びつきはありません。
そこでここでは、この「有象無象」がどのような言葉なのか、その意味や由来、類義語について解説します。
目次
「有象無象」とは
・「有象無象」の意味
・「有象無象」の用い方
「有象無象」の由来
・原型は「有相無相」
・「象」があらわすもの
「有象無象」とは

まずここでは、「有象無象」がどのような意味の語句なのか、どのように用いるのか見ていきましょう。
「有象無象」の意味
有象無象は、主にネガティブな意味合いもあります。
世にたくさんあるもの、という意味と表現すればフラットな意味合いにも思われますが、実際に用いる際にはネガティブな要素が強くでます。
数こそ多いものの雑多でくだらないもの、群がっているだけで取るに足りない存在、またはろくでもない人々といった意味で用いられることもあります。
「有象無象」の用い方
有象無象は、取るに足らないくだらない連中という意味なので、聞き手に向けて用いるには失礼な言葉となります。
そのため、ビジネスの場で取引先や上司といった目上の人に対して用いる語句ではありません。
もちろん、蔑みの表現となるので後輩や部下に対しても人として使用しないほうがいいでしょう。
「有象無象」の由来

今ではネガティブな表現のひとつとされる「有象無象」ですが、もともとはそのような語句ではなかったのだとか。
そこでここでは、「有象無象」の成り立ちについて見ていきましょう。
原型は「有相無相」
有象無象は、仏教用語から来た言葉とされています。
あらゆる存在をあらわす「有相無相」が転じて生まれたとされるのです。
この「有相無相」の「有相」は姿形あるものを、「無相」は姿形のないものを表しています。
「象」があらわすもの
「有象無象」の「象」は、動物のゾウのことではありません。
ここでいう「象」は、ものの形のことです。
音読みはゾウやショウですが、訓読みは意味そのまま「かたち」「かたどる」となっています。