相手の姑息な口車には乗らないこと
もし、分譲マンションを購入して、不運にも欠陥が多い物件だった場合、どのようなアクションを取るべきなのか。姫野氏はこうアドバイスする。
「戸建てもマンションでも、基本的に新築物件には契約不適合責任(瑕疵担保責任)が適用される。施工業者や販売業者に対して、不具合や欠陥を指摘して無料で補修や修理を要求する権利がある。ただ、たいていの場合は引き渡しから2年という期限があるので、2年以内に要求することが一番重要だ」
もし、相手側が瑕疵を認めなくても、期間内であれば、弁護士に相談するというのも手段の一つだ。
「業者は最初に小手先のことをやろうとする。例えば、ドアが歪んでいるとなればドアを交換するとか。しかし、小手先の修理で直らないことがわかれば、2年以内にしっかりと何回もチェックすべき。土台が傾いているとか根本的な原因の可能性もある。戸建ての場合、建物全体が均等に沈むのではなく、キッチンの左端だけちょっと床が傾いているみたいな例が多いので、土台の傾きはパッと見てわかりにくい。そして、瑕疵担保といいながらも、住めないほどではないので、建て替えではなく補修になる」(姫野氏)
この福岡の事例では、販売側はのらりくらりと瑕疵を認めず、さらには「お見舞金」として300万円を渡そうとしてきた。口封じ目的の裏金ということか。しかし、住民たちはこのお金を突き返した。
「昔、友人宅の近隣で工事があったとき、ドシンドシンとすごい振動を日々受けたせいで、その周辺の家の外壁にちょっとひび割れが起きた。地盤を叩いたせいで、全体的に少し地盤が動いたのではないかというような壊れ方だった。友人らは補修費用として、ペンキ代程度のお見舞い金を受け取ってしまった。ケースバイケースだが、相手がお金を払ってきたら注意すべきだ。ごまかそうとしているのではないかと疑ったほうがよい」(姫野氏)
この福岡の事例はマンション購入を検討している人は誰もが知っておくべきである。
(文=横山渉/ジャーナリスト、協力=姫野秀喜/姫屋不動産コンサルティング代表)
提供元・Business Journal
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