期間限定商品は価格の縛りを緩めて高めのものを用意

自身でも飲食店経営を手掛ける飲食プロデューサーで東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏はいう。

「実際に食べて比較してみましたが、『えっ?』と思うほど似ていました。『マクドナルドって、結構大胆だな』と思わず笑ってしまうほどでしたが、2商品の違いは以下の点です。

・ベーコンが入っているかどうか
・バンズ
・ソース

しかし、普段のマクドナルドのキャンペーン商品・期間限定商品に比べて、チーズ月見のバンズのクオリティは低めで、食感、味わいともエグチのような通常の商品寄りだと感じました。ソースはオーロラソース系でおいしいのですが、そこまで特別なすごさは感じません」

では、エグチの2倍という価格に妥当性があるといえるのか。

「飲食店のメニューは材料費、手間、共通食材とイレギュラー食材の違い(仕入れロットによって仕入れ値も変わる)などによって価格が違ってきますが、チーズ月見とエグチはほとんどが共通食材で、仕入れや手間に大差はなく、厳密に検証するほど『2倍の差はないだろう』という考えに至ります。

となると、厳密に検証した結果ではないところに答えはありそうです。材料やオペレーションではないところ、つまり感覚の部分です。人は『期間限定』に弱くて、『お祭り感覚』でコスト感覚が薄れます。また『オススメ』的なキャッチコピーを見ると『これでいいか』とその商品に流れたりします。日頃からマクドナルドを利用していない人であれば、エグチの存在を知らない可能性もあります。

エグチやスパチキ、スパビー、チキチー、チキンクリスプのような200円前後の商品には根強いファンもいることでしょう。小腹が減った際のおやつ代わりにもいいですし、2個食べると結構お腹も膨れます。人気があるゆえに定番メニューから外されずに根強く残っていて、価格をそうそう上げられません。マックもこれらの商品については価格を維持することを意識していると思います。メニュー表の下のほうに並ぶこれらの商品は、コスパ的にお客さん寄りの商品ともいえるでしょう。

逆にキャンペーン商品・期間限定商品は価格の縛りを緩めて高めのものを用意しています。季節ごとの提案によって、メニューのマンネリ化防止にもなりますし、客単価アップの優良商品にもなります。ですのでボリュームや価格を優先する人は、エグチのような200円台の定番商品を選ぶほうがお得といえるでしょう。少しでもおいしいものを食べたいという人や、季節感を味わいたい人はキャンペーン商品・期間限定商品を選ぶのがいいでしょう。お店としては選択肢を用意しているので、最後はお客さまの気分次第ではないでしょうか」

(文=Business Journal編集部、協力=江間正和/東京未来倶楽部(株)代表)

提供元・Business Journal

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