決勝

決勝で装着するタイヤはQ1予選で使ったタイヤが指定された。可能性としてA組の中にスリックタイヤを使っていないチームがいるとすれば、ロングスティントになったときその有利性が出てくるが、こればっかりはレースをやってみないとわからない。

スーパーGT 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 消化不良気味の4位フィニッシュ
(画像=レースにはSUBARUの中村知美会長も応援に駆けつけた、『AUTO PROVE』より引用)

さて、BRZ GT300は井口がスタートドライバーを務め、前を走る96号車と20号車の2台についていき、後半ニュータイヤで走る山内に順位を挽回するストーリーがイメージされた。パレードラップ、フォーメーションラップとそれぞれ1ラップを消化して決勝レースがスタートする。

スーパーGT 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 消化不良気味の4位フィニッシュ
(画像=予選3位からスタートしたBRZ GT300。まずは井口が操る、『AUTO PROVE』より引用)

序盤ポールの96号車が逃げる作戦の様子。それを追いかける展開で上位4台がトップグループを作り、後続を引き離す。トップとは3秒後半ほど離されてしまうが、徐々に追いつき2秒台、1秒台と差は縮む。18周を終えた時点でトップとは1.7秒差だが、井口からはタイヤが厳しいという無線が入る。

想定より早くタイヤの限界が近づいたようだ。レース距離の2/3以上の周回を1人のドライバーが走ることは禁止されており、84周のレースでは28周がミニマム周回数になる。またGT300では79周が想定されるため、23周がミニマムな周回数になる。そのため「あと7周頑張って」と無線が伝える。

燃費も計算されBRZ GT300は28周を終えピットイン。山内と交代するがポジションは6位に下がっている。タイヤ4本交換と給油をしてピットアウト。先行していた5台と1回のピットインを済ませているチームの中では6番手なので、それを合わせると11位でコースに戻ったことになる。

スーパーGT 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 消化不良気味の4位フィニッシュ
(画像=ここから山内の怒涛の追い上げが始まるのだ、『AUTO PROVE』より引用)

ピットアウト後、数周するとGT500マシンのクラッシュがあり赤旗中断になった。じつはこのタイミングでセーフティカーが出る直前にピットインしていた56号車と18号車は、その恩恵を大きく受け、レース再開後の順位は2番手に56号車、3番手18号車という順に入ることができたのだ。一方で山内はピットインを未消化のチームはいるものの、15位にまで順位が下がってしまっている。

その順位があおるのか、山内の闘争心は凄い。42周目のレース再開直後に1台を抜き14位に浮上。そこからは怒涛の追い上げが始まった。トップとの差も10秒以内であり、目の前を走るマシンは全部ライバルという状況だ。ますます、山内の猛攻はつづき49周を終え8位に浮上。52周を終え7位に。その3ラップ後は6位と快進撃が続き、57周を終えたときは5位まで順位を戻していたのだ。

この時、トップとは7.7秒差、目の前には6号車が1.1秒差でいる。しかし山内の怒涛の追い上げにタイヤが悲鳴を上げたのか、徐々にラップタイムが下がっていく。72周を終えた時、山内は「やばい、タイヤがおかしい」と無線で伝えてくる。トップとは17秒まで差が広がり、後続の4号車とは18秒のリードを持っている。そのまま順位をキープできるか?という状況に変わってしまった。

スーパーGT 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 消化不良気味の4位フィニッシュ
(画像=タイヤの限界が近づく中で山内は周回を重ねて行く、『AUTO PROVE』より引用)

そして最終ラップの78周目「マシンがおかしい、怖い」と伝えてくるものの5位でチェッカーを受けることができた。この時トップは30周目にトップに立った52号車がずっとトップをキープしており、そのままチェッカーと思った瞬間、ゴール寸前でスローダウン! 場内アナウンスのピエール北川は「ガス欠」を連呼。2位を走っていた18号車が交わし大逆転勝利を掴んだのだ。

さらに、この後、再車検でトップチェッカーの18号車は最低地上高車両違反となり、失格となってしまう大どんでん返しが待っていた。結果、52号車が優勝しBRZ GT300は4位フィニッシュになった。

レース後山内は「求めていた順位ではないけど、赤旗からの再開後の順位を考えるとよく挽回したと思います。また足りてない部分も見えてきたので、改善することでチームも進化できるのでそれは楽しみな部分でもあります」と前を向いた。

スーパーGT 第6戦 SUGO300kmレース SUBARU BRZ GT300 消化不良気味の4位フィニッシュ
(画像=昨シーズンのオートポリスは2位フィニッシュ。山内&井口コンビに期待したい、『AUTO PROVE』より引用)

これでわずかながらシリーズチャンピオンの可能性を残したことになる。トップとは19点差の7位となった。残り2戦。次のオートポリスではサクセスウエイトは半減される。BoPに変更があるか?は不明だが、BRZ GT300だけのBoPは戻して欲しいところだ。そして最終戦のもてぎではノーハンデ戦であり、ガチ対決となる。連勝も夢ではなく、チームは可能性を信じて戦うことは間違いない。

提供・AUTO PROVE

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