国家とは何か、これは難しい問題だが、そこに国民を支配する価値的なもの、実態的なものを認めることについては、危険な逸脱を生じかねないものとして、慎重でなければならず、むしろ、逆に国民が支配するものとして、国民の共通利益に貢献するものとして、国民間の相互扶助組織として、経済取引に準じてとらえるほうが無難なのだから、税金や社会保険料の納付義務に対しては、役務の提供を受ける権利を対抗させるべきであろう。

123RF
この役務の提供においては、全ての国民を等しく扱うことが求められるから、全国民に共通のものとして、最低限の水準に留まらざるを得ず、むしろ、最低限だからこそ、公正公平性が保たれているのであって、最低限を高く設定すると、不公正、あるいは不公平を生じかねないのである。つまり、最低限を超える水準については、国民の多様性が認められるべきだから、国民の自治自律を前提にして、政策的な支援を行うにしても、税制優遇措置や補助金等の手段が用いられるべきなのである。