
首相官邸HPより
岸田首相が内閣改造と自民党役員人事を行いました。「女性抜擢、刷新感アピール」(朝日新聞1面)、「女性登用、首相が転換。支持率上げ衆院解散」(同3面)、「年内でも衆院解散できるよう狙う」と、朝日新聞までが岸田内閣の広報担当紙の印象です。
世論調査をみると、内閣改造は評価されていません。読売新聞(15日)は「支持する35%、指示しない50%」(読売新聞、15日)で横ばいです。日経新聞は「支持する45%、支持しない51%」で、「支持する」は横ばい、「支持しない」は1ポイントの上昇です。
岸田首相が「政権浮揚効果」を狙ったのは明らかでも、朝日の見立ては外れました。「年内解散」はこのままでは、無理でしょう。
「女性抜擢5人」のうち、3人は世襲議員だったことが不評を買った。土屋復興相(71)は父が参議院議長、埼玉県知事、自見地方創生相(47)は郵政改革相の次女、加藤少子化相(44)は加藤自民党幹事長の三女です。世襲でないのは、上川外相(70)、高市経済安全保障相(62)の2人です。
大物議員のお嬢さんが親の七光りで当選できたという印象を有権者は持っているでしょう。女性議員が少ないため、無理してでも「民間企業の役員比率30%」に近づけようとした結果です。
党人事はどうでしょうか。幹事長は麻生氏(82)は祖父が吉田茂首相、選対委員長の小渕優子(49)氏は父親が首相です。小渕氏は「政治とカネ」の問題で経産相を辞任(14年)し、関係者がデータディスクを破壊した。その人物をこともあろうに選挙対策のトップにつけるとは信じがたい。
しかも当初の人事案では小渕氏は自民党幹事長だった(読売)そうです。岸田首相が「政治とカネ」疑惑の世襲議員を幹事長にしたいと考えていたとしたら、政治的感度の鈍さは目に余る。