株式会社千正組を立ち上げてから、3年8か月が経ちました。
一生懸命、ビジネスパーソンの考え方をしないととか、経営をできるようにならないとと、色々な方に教えてもらいながらやってきました。

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官僚時代からの最大のギャップは、売り上げとか、利益とか、単価とか、そういう数字をしっかりあげ続けていかないといけないということでした。
官僚時代は、そんなこと1ミリも考えたことがなかったので。
右も左も分からないところから、色々な方に助けてもらいながら、だんだんできるようになっていって、おかげさまで立ち上げ以来ずっと右肩上がりなのですが、自分の心はなかなか穏やかになりませんでした。
どんなに、営業成績が上がり続けても、「いつか落ちるんじゃないか」と不安になったりしました。また、ちょっと難しそうな案件が来ると「できるだろうか」と不安になるようになりました。
実際には、全部一定水準以上でできていたと思うのですが、それでも不安が頭から離れませんでした。本来の自分だったら、ちょっと難しい仕事が来たら、「よし!俺がやってやる!」みたいな気持ちになるにもかかわらず。
「公務員時代だったら、こんな不安は全くなかったのにな。」
そう思ったこともありました。
今の立場になってから、3年半経って、最近ようやく少し広い視野、長いスパンで、会社経営を考えられるようになってきました。
そういう中で、自分の中にある「うまくいってるのに不安にとらわれる」という変な現象の理由が分かりました。
それは「性に合わない」ことを、やっていたということです。
売り上げとか目標を決めて、それを達成するために、計画みたいなことを考えて、なるべく多くの方に大きいサービスを買っていただく、そんなことを考えるのが、全く性に合わないのです。
思えば、官僚時代も、偉くなりたいとか、組織や上司に評価されたいという気持ちはさらさらなくて、また、特にやりたい分野とかやりたいことがあったわけでもありません。専門性をつけようと思ったこともありません。結果的に、必死にやってきたことが特技として積みあがってはいますが、専門性を獲得しようとしたわけではありません。
単に、困っている人とか、いいことをやろうとしている人がいたら(注)、僕になにができるだろうと考えて、組織内外の仲間にも助けてもらいながら、できる限りのことをするというだけです。僕がずっと考えてきたのは。
(注)なんでも相談に乗るわけじゃなくて、だいたい以下の3つを満たす場合です。