ジャニーズ事務所の加害者問題、これだけ話題になっている中、絶大的権力者に対してその権力の暴走をどう抑制・制御しなければいけないのか、そのために社会がどう体制を整えるべきか、という視点から考えていきたい。

たしかに今回の問題を受けて大きな改革は期待できる。しかし、ロシア、北朝鮮、はたまたブラック企業だって存在するし、またしてもお茶を濁してしまうかもしれない。

まずはジャニーズのオタクであることを告白しておく。タレントと共演したこともある。手越祐也さんの評論で少し世間をざわつかせたこともある。そんな私ではあるが、この問題を日本社会の構造的な問題と言う視点から考えたい。

会見するジャニー氏の姪のジュリー氏 NHKより

報告書が示したこと

外部専門家による再発防止特別チームによる調査報告書では、60年以上にも及ぶジャニー氏の性加害の事実が指摘されている。多くの人が被害を受けた。今でもその心理的ショックで影響を受けている人がいることは、大変心が痛む。

メリー氏による放置と隠蔽 被害の潜在化を招いた関係性における権力構造 ジャニーズ事務所の不作為

が指摘されている。

特に、ジャニーズ事務所では

(ウ)監査役

ジャニーズ事務所には、監査役が置かれているが、会計監査権限に限られ ており、業務監査権限は有していなかった。

(エ)社内規程

決裁権限規程、取締役等の会議体に関する規程、コンプライアンス規程な ど、企業が一般的に定めている基本的な社内規程が制定されていない。

(オ)内部統制部門

ジャニー氏の体制下では、コンプライアンスを専門に担当する部署は存在しなかった。

(カ)内部通報制度

ジャニー氏の体制下では、内部通報制度に相当する制度は存在しなかった。

(出典:外部専門家による再発防止特別チームによる調査報告書)

といったガバナンスの脆弱性が報告書では指摘された。