スポーツ路線でレースにも出た次男・チェイサー(6代目)

「トヨタの保守的オヤジセダン3兄弟」マークII、チェイサー、クレスタの最後のフルモデルチェンジは成功だったのか【推し車】
(画像=『MOBY』より 引用)

ヤング&スポーティ路線で売り出した6代目チェイサーは人気が高く、オヤジセダンを脱してはいたが、アリストやアルテッツァが並ぶネッツ店では役割を終えた

3代目マークIIの兄弟車として1977年に登場、スポーティ&ヤング層が主体のトヨタオート店(後のネッツ店)ユーザー向けに元からマークIIよりスポーティなイメージがあり、かつ直4エンジン搭載車も単なる廉価グレードではなく充実させたのが特徴。

6代目X100系ではそうした従来のイメージから、フロントオーバーハングを縮めてアグレッシブなフロントマスクを採用したスポーツセダン路線を重視し、ラグジュアリー系の「アバンテ」より、スポーツ系の「ツアラー」系がメインストリーム。

特に2.5リッター直6ターボ搭載のツアラーVにはTRDバージョンをラインナップしたほか、JTCC(全日本ツーリングカー選手権)にも参戦。

レースでは同門のコロナExiVが前面投影面積の小ささと軽さを活かしたのに対し、チェイサーは時にコーナーのライン争いで譲らず接触を辞さないほどの荒っぽい走りが対照的でした。

このスポーツセダンそのものは間違っておらず、人気も高かった8代目X100系チェイサーですが、当時のトヨタオート店改めネッツ店では、大排気量スポーツセダンの「アリスト」、初代レクサスISを国内導入した「アルテッツァ」といった新世代車が育っていた頃です。

そのため、トヨペット店向けのマークII、トヨタビスタ店向けのクレスタとは異なり後継車や上級移行モデルに恵まれており、人気がありながらもこの代で最後となりました。

ハイソカーの夢よもう一度という三男・クレスタ(5代目)

「トヨタの保守的オヤジセダン3兄弟」マークII、チェイサー、クレスタの最後のフルモデルチェンジは成功だったのか【推し車】
(画像=『MOBY』より 引用)

元祖ハイソカー、最後までハイソカーを貫いたクレスタだったが、後継がヴェロッサというあたり、トヨタビスタ店らしかった

ある意味でもっと個性的なフルモデルチェンジとなったのが、5代目X100系クレスタ。

ハイソカーブーム初期に火付け役の1台となった初代初期型X50系に回帰した高級ラグジュアリー…というより、保守層向けではないハイソカー路線と言った方がよいでしょう。

そもそもトヨタ系販売店でも異色の実験店舗だったトヨタビスタ店のユーザーを相手にしますから、保守層ともヤング&スポーツ層とも異なるイメージが求められ、かつ歴代クレスタのユーザーを大事にしたモデルチェンジでした。

2.5リッター直6ターボ車を頂点とするスポーツ系グレード、「ルラーン」も設定したものの、他の兄弟とは異なり5MT車はなく4AT車のみのラグジュアリースポーツ路線。

ラグジュアリー系グレードの「エクシード」が本命ですが、ユーザー受けが良かったのはエクシードの廉価グレード扱いながら、クレスタの全盛期だった1980年代ハイソカーブームの人気グレードだった「スーパールーセント」だったのは少々誤算。

案外、「安くて立派に見えるクルマ」というのがクレスタの本質だったのかもしれません。

なお、あくまでメインストリームからちょっと斜め上を走るトヨタビスタ店取り扱い車らしく、スーパールーセントが人気だからと、その路線で後継を作ったりはせず、なんと後継は「愛知で作った名古屋メシ系アルファロメオ」、ヴェロッサでした。

そもそもトヨタ系としては奇抜すぎたトヨタビスタ店そのものが不要になってネッツ店へ統合整理されると、ヴェロッサもそれに先立つ廃止で短命に終わるのですが。

ハイソカーに始まりハイソカーに終わる、クレスタらしい最後で終われたのはむしろ幸運だったのでしょう。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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