血の涙を流していたことでドラキュラのモデルに!?
「(手紙の中の)食物タンパク質は植物性食品にのみでした」と研究チームのグレブ・ジルバースタイン氏は「The Times」紙に語る。
同氏はヴラド3世がビーガンだったのは、健康や信条によるものではなく、残念ながら不可抗力であったのかもしれないと指摘する。
「15世紀、ヨーロッパは非常に寒冷な気候でした。そして食べ物はほとんどありませんでした。生物考古学者によると、ヨーロッパ中の貴族の食生活は非常に貧弱で、肉は食べられないことが多かったそうです」(ジルバースタイン氏)
確かにヴラド3世はその執政においては残忍であったかもしれないが、なぜビーガンが“ドラキュラ伯爵”のモデルになったのか。両者のイメージにはかなりのギャップがあるように思える。少なくともビーガンには“血生臭さ”のイメージはないだろう。
興味深いことに研究チームによるとこの手紙には、この恐れられていた統治者が「血涙(hemolacria、ヘモラクリア)」を患っていたことを示唆する手がかりが含まれていることが発見されたという。血涙は「血の交じった涙を流す」症状全般を指し、目の感染症や炎症、あるいは涙管に発生した腫瘍など、複数の原因によって引き起こされるものと考えられている。
つまりヴラド3世はその血にまみれた“血眼”によって不気味な“ドラキュラ伯爵”を彷彿させるビジュアルであったことになる。

研究を主導したヴィンチェンツォ・クンソロ教授は、「彼はおそらく、少なくとも人生の最後の数年間、血涙と呼ばれる病的状態に苦しんでいた。つまり血が混じった涙を流す可能性があった」と述べている。
とすれば“ドラキュラ伯爵”のモデルであったヴラド3世はまったく心外な“濡れ衣”を着せられていたということになるのかもしれない。最先端の科学によって歴史上の人物の実像が明るみになった興味深い研究の1つといえそうだ。
(※1)UMA(ユーマ、Unindentified Mysterious Animal)とは未確認生物を意味する和製英語。未確認生物とは何世紀にもわたって語り継がれてきた物語や伝説に登場したり、また、今日でも目撃例があるが実在が確認されていない生物のことだとされている。物語、伝説、噂話などで語られる生物であるため、科学的な対象ではなく、“オカルト”に分類される。英語圏で、未確認生物はCryptid (クリプティッド)と呼ばれ、これを研究する学問はCryptozoology(クリプトズーロジー、暗号生物学)と呼ばれるのが一般的。
参考:「Daily Mail」「Daily Mail」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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