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マイナカード保険証が迷走あるいは半ば阿鼻叫喚の様相だ。そもそもセキュリティ的に信頼性すら疑念が生じている上に、高齢者が使えるのかと言う懸念、さらには医療機関のマイナカード端末でエラー頻発し、まさに「使えない(筆者の在籍先でも毎度だ)」。

国と与党政権は現実を直視し、マイナ保険証を一時棚上げすべきだ。代わりに保険証のICカード化を迅速に進め、特に高齢者医療(費)の効率化適正化と多剤投与、処方廃棄を防ぎ地域医療チームかかりつけ医療を推進すべきだ。

後期高齢者医療被保険者証 東京都後期高齢者医療広域連合会HPより

マイナンバーはかつて論議されたが一度廃された「国民総背番号」であり、納税と社会保障を一元管理するものである。憲法に定められた国と国民の義務と権利、労働納税の義務と然るべき国からの保障を齟齬なく実現できる、はずだった。

国の意図が徴税のための所得捕捉第一というのはさておき、一つの番号とカードで行政手続や社会保険給付さらに対応民間サービスも便利になる万能番号、カードのはずだった。

しかしカード取得からして面倒な上に、同じ番号を他人に二重(三重四重があったかは知らない)付与(これは当然、本人確認の意味を成さず、ありえない!)、本人確認のための顔写真が別人(同様!)だったりと、「あってはならない」重大エラー連発、お粗末に過ぎた。

これで納税や銀行口座や保険証や免許証に紐付けろといわれても、信用できない、いや恐ろしい。他人の滞納をふっかけられ差し押さえされたり、不摂生な他人の医療費をいつの間にか払わされていたり、他人の交通違反を「濡れ衣」着せられたり、そういうことが、あり得るのだ。