病院に居続けるのはお金がかかるので、年金を目当てにしたところで病院への支払いでほとんど消えてしまうのではないか、と考える方がいるかもしれないが、調べてみたところ「高額療養費制度」を利用すると患者(患者の家族)への負担はそこまで大きくない(参考:年金受給者が高額療養費制度を利用した場合、自己負担はどれくらい?)。年齢や収入にもよるが、1か月5万7600円~程度だ。
しかし、この金額で済んでいるのは国が費用の大部分を負担しているからだ。つまり、ただでさえ増え続けている国の社会保障費がさらに増えることになる。
人生の終盤にこのような事態を避けるためには、あらかじめ終末期医療に関する自分の考えを家族に伝えておかねばならない。その、まさに家族こそが理解してくれそうにない場合は、自分の意思を書面で示したもの(事前指示書)を主治医などに渡しておくことだ。
「縁起でもない」話をしよう。それをしたからといって死神が寄って来ることなんてない。もしそうなのだとしたら、私なんかとっくに死んでいる。
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田尻 潤子 翻訳家。本業は翻訳だが、「終活ライフケアプランナー」の資格を持つ。訳書には「「敵」(ヤバイ奴)に居場所を与えるな」(ルイ・ギグリオ著)がある。ウェブサイト:tajirijunko
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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