2023年夏の駿河湾は、クラゲの大量発生に悩まされるシーズンとなりました。6月下旬頃から姿を見せ始め、7月の新盆頃には大量のクラゲが水面を漂う事態に。今回はその理由を考察しながら、釣りでクラゲが引っかかったときの対処法を解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・杉本隼一)
駿河湾でクラゲが大量発生
通常なら8月の旧盆頃から姿を見せるクラゲが1ヶ月以上も早くから大量に現れ、釣り人や漁業者を悩ませています。
特に多いのがヒゼンクラゲと呼ばれる種類で、ソフトボール大から2回り以上大きなクラゲが視界の中だけで10匹近く泳ぎ回るため少々不気味な光景です。
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高水温が原因か
2023年は海水温が高く、駿河湾沿岸地域では少雨状態が続いていました。台風のように海をかき回す要因も少なく、水中の富栄養化や水温上昇の影響がクラゲの大量発生に繋がったと推測しています。
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岸壁から海を覗くと例年以上に水が淀んでいるように感じられ、魚からすれば息苦しい状態です。
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釣りへの影響
釣りへの影響も多く、クラゲの密度が多いためにキャストした仕掛けやルアーがクラゲに乗ってしまうことも。また、クラゲが引っかかりゼリー状の破片が針に絡まってくる光景もよく目撃しています。
頻繁に引っかかってくるのは決して気持ちいいものではなく、特にクラゲが多い場所では釣りにならないほどです。
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外海にも大量発生
クラゲが多いのは内湾や港湾部だけでなく、外海にも多く発生しています。内湾部にクラゲが多すぎて外海に避難したものの、避難先のポイントもクラゲまみれでは意気消沈です。
潮流があるにも関わらず途絶えることなく流れてくれば絶望すら感じられます。
漁業にも影響が
釣り以外では漁業や水産業にも影響が出ています。定置網にはクラゲが大量に入ってしまい水揚げできる魚が減少したため、仕入れ価格の上昇がお盆の時期を直撃しました。
また、本来なら活かしで使えた魚もクラゲが原因で弱ってしまうか死んでしまう場合も多く、市場価値が下がってしまいます。漁師さんから仲卸業者まで頭を悩ませる状況が続き、少しでも早くクラゲが減るのを待つばかりです。
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