テンヤ
伊勢湾界隈で使用するテンヤの重さは50~60号がメイン。近年のテンヤ人気を受けて、各メーカーからさまざまなタイプのテンヤが発売されている。だが基本的な形は同じ。オモリになるヘッド部分からエサのイワシを縛り付ける軸の長い大きなハリが出ている。形としてはルアーフィッシングで使われるジグヘッドと同じだが、決定的な違いはハリの向き。ジグヘッドは上向きに付いているのに対し、タチウオ用のテンヤは下向きに付いている。
これは先にも述べたように、エサを食いに来たタチウオの口周りにハリを掛けやすいようにするための構造なのだ。

ヘッドのカラーはグローやイワシ、ゼブラなどたくさん出ているが、ぶっちゃけ色はあまり関係ないように思う。ただし、海が濁っていて海中がローライトであることが予想できる場合は、グローが有効……な気もする。
なおリーダーとテンヤは直結と書いたが、交換しやすいようにスナップサルカンで接続すると便利だ。なおスナップ部分はルアーフィッシングでよく用いるクロスロック式のものが強度があってお勧めだ。
エサ
エサは冷凍イワシがメイン。釣具店で塩イワシなどの名前で売られているが、事前にスーパーなどで買って塩でしっかり締めて冷凍保存しておいてもいい。イワシの大きさは15cm前後のものが最も使いやすいが、大きめのものであれば頭を落として、内臓を取り除いてドレスの状態にしてもいい。そして大量の塩にうずめて水分を抜いた後、ジッパー付き袋などに入れて冷凍保存する。

イワシは水分を抜けば抜くほど身は固くなる。そして身が固くなるほどエサ持ちは良くなる。これが渋いときには仇になることもあるため、やや締めの甘いイワシ、カチカチに締めたイワシなど、エサの固さをいろいろ調整して持参すると、少し渋い状況に当たったときに有利に釣りを展開できるかもしれない。
事前にテンヤにエサをセット
さてここから実釣編だが、まず釣行前日にぜひやっておいていただきたいことがある。それはテンヤにイワシをセットしておくこと。これをするだけで、現場ではかなりの時短になる。

エサの付け方は、テンヤ上部に付いているエサを固定するためのハリに、イワシが真っすぐになるように刺し、付属のワイヤーで頭からぐるぐる巻きつけていく。ワイヤーの端はスナップを付けるアイに巻きつけておく。尻尾まで巻いたら折り返して頭方向に再び巻きつけ、再びアイに残りのワイヤーを巻きつけて完了。
このセットをテンヤの重さ別に2~3個作っておくと、非常にスムーズに釣りをスタートできる。ぜひ実践していただきたい。