米国で伝記作家として著名なウォルター・アイザックソン氏が書いたイーロン・マスク氏の伝記が12日から発売されます。ワシントン・ポスト紙に掲載された同著の抜粋記事によると、マスク氏とウクライナとの間で繰り広げられた知られざる対立が同著で取り上げられます。
This is the inside story of how Musk used Starlink to help Ukraine, then pulled back one tense Friday night, and how he finally resolved his role — including the secret encrypted messages with Ukrainian minister Federov and the deal he made with the US. WtRUfH
— Walter Isaacson (@WalterIsaacson) September 7, 2023
これは、マスクがウクライナを助けるためにスターリンクを利用し、ある緊迫した金曜の夜にその決断を撤回し、そして最終的にどのように自分の役割を決意したかの内幕である。ウクライナのフェデロフ大臣との秘密の暗号化されたメッセージや、彼がアメリカと交わした取引も含まれる。
抜粋記事が特に注目を集めている理由はマスク氏がウクライナ軍の攻撃を妨害したことが示唆されているからです。
昨年にウクライナ軍はロシアに占拠されているクリミア半島の沿岸地域を攻撃を計画しており、マスク氏がウクライナ軍に提供していた衛星通信サービスであるスターリンクの稼働を求めました。しかし、マスク氏はクリミアが攻撃されることで戦争が激化することを恐れ、同地域においてウクライナ軍がスターリンクを使用することを拒否しました。
To clarify on the Starlink issue: the Ukrainians THOUGHT coverage was enabled all the way to Crimea, but it was not. They asked Musk to enable it for their drone sub attack on the Russian fleet. Musk did not enable it, because he thought, probably correctly, that would cause a…
— Walter Isaacson (@WalterIsaacson) September 9, 2023
スターリンク問題を明確にすると、ウクライナ側はクリミアまで(スターリンクの利用が)カバーされていると思っていたが、そうではなかった。彼らはマスクに、ロシア艦隊へのドローンによる潜水艦攻撃のために、それを可能にするよう求めた。マスクは、おそらく正しく、それは大規模な戦争を引き起こすだろうと考えたため、それを有効にしなかった。
また、マスク氏はバイデン政権高官に対してもクリミア半島攻撃のためにスターリンクを利用させないことについて理解を求めていたそうです。
"He discussed the situation with President Biden’s national security adviser, Jake Sullivan, and chairman of the Joint Chiefs of Staff, Gen. Mark A. Milley, explaining to them that he did not wish Starlink to be used for offensive purposes."VKqfkm
— Claire is in the redwoods 🇺🇦🇺🇸☮️ (@CGordon42534727) September 8, 2023
“彼はバイデン大統領の国家安全保障補佐官ジェイク・サリバンや統合参謀本部議長マーク・A・ミリー元帥と話し合い、スターリンクが攻撃目的に使用されることを望んでいないことを説明した。”
スターリンクはウクライナ政府からの要請により開戦から数日後にウクライナでの提供が開始されました。メディアではスターリンクの利用でウクライナ軍による無人機の偵察や攻撃に寄与していることが報じられており、ウクライナ軍もマスク氏の貢献に感謝を示していました。
#TomorrowsPapersToday UkraineX: How Elon Musk's space satellites changed the Ukraine war on the ground. pic.twitter.com/8NDjgXIN0n
— POLITICOEurope (@POLITICOEurope) June 8, 2022