「悪魔」について書くと、読者の中には笑いだす人が出てくるかもしれない。神について書けば、「神学的な議論」と受け取ってもらえるが、悪魔について書けばオカルト、と罵倒され、狂人扱いされる。現実は、悪魔の業を指摘せずして事例を説明できないケースが増えてきているのだ。

具体的な話に少し入る。悪魔が総結集して構築してきたのが共産主義思想だ。神を否定し、愛されている者、豊かな者への嫉妬、恨みを駆りたたせ、「労働者の地上天国」という標語を掲げて世界を席巻してきた。共産主義思想の背後に悪魔の存在を嗅ぎ取って「悪魔の思想」と喝破したのが世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創設者文鮮明師だ。

共産主義の実態、その正体を暴露する人物、団体、組織があれば「悪魔」は地上での強権を駆使してバッシングする。旧統一教会が創設以来、常に批判され、罵倒されたのは高額献金問題があるからではない。共産主義が間違いであり、その思想がどこから起因するかを明らかにする理論(勝共理論)を提示し、共産主義に戦いを挑んできたからだ。

悪魔はメディアを総動員して、旧統一教会との戦いを始めた。山上徹也容疑者が昨年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅北口で選挙応援演説中の安倍晋三元首相を射殺したが、悪魔は左派系メディアを総動員して同事件を旧統一教会叩きの機会に利用してきた。その時、焦点を高額献金問題に絞り、共産主義の誤謬を指摘した旧統一教会の思想的理念(統一思想、勝共思想)に対しては恣意的に無視してきた。

現代の日本社会は、魔女狩りが行われた欧州の中世時代のようだ。ただ、欧州の魔女信仰やそれに関連した魔女狩りには程度の差こそあれキリスト教の影響があったが、日本の場合、共産主義という“偽宗教”が旧統一教会信者への魔女狩りをプッシュしているのだ。同時に、共産党系の反統一教会聖職者や活動家による旧統一教会信者拉致監禁問題を完全に忘れている。

岸田文雄首相は10月にも旧統一教会の解散命令を請求する予定だという。旧統一教会叩きを主導しているメディア、弁護士、活動家はほとんどが共産党系だ。彼らは、支持率が低迷する岸田政権の弱みを巧みに利用し、旧統一教会の解散命令を強いようとしている。

繰り返すが、旧統一教会ほど共産主義の実態を知りつくして、戦ってきた団体は日本には存在しない。彼らを失えば、日本は中国共産党政権、北朝鮮らの脅威に一層晒されることになるのだ。まだ、時間はある。悪魔の囁きに乗って、旧統一教会に解散命令を出してはならない。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年9月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?