全米オープンの男子シングルス準決勝で、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、20歳のベン・シェルトン(米国)を破り、決勝戦進出を決めた。勝利を収めた直後、シェルトンのアイコニックな勝利パフォーマンスを模倣したジョコビッチに、アンチから非難の声が殺到している。
勝利を手にしたジョコビッチは、客席の方を向き、若手選手の躍進をストップさせたかのような仕草を披露。ESPNで実況を務めていたクリス・ファウラー氏は、「シェルトンの祝いの儀をからかった」と説明を加えた。
Novak Djokovic hangs up the phone on Ben Shelton after beating him at the US Open.
— The Tennis Letter (@TheTennisLetter) September 8, 2023pic.twitter.com/aTnjVFDWHY
ネットでは、「なぜみんなが彼を嫌ってるのかわかる」「だからフェデラーやナダルにはなれない」「20歳の若者に無礼では」「ジョーカー」「スーパーヴィランだ」「ヒールであることを悪びれようともしていない」「冷酷」などの声が飛び交っている。
一方で、ファンからは「ノバクが引退したら、テニスはつまらなくなる」「これはブーイングを浴びせた観客を揶揄したものだぞ」「ノバクはヘイターの言うことなんか気にしない。彼をいっそう強くするだけ」「若造にどちらがボスかを知らしめた」といった意見や、「ワクチン接種者はこの男に勝てない」といったジョークなどが投稿された。
シェルトンは、電話を受けて切るパフォーマンスを「ダイヤルイン」と呼んでおり、陸上競技のスター、グラント・ホロウェイにインスピレーションを得たものだと説明している。2人は共にフロリダ大学出身で、仲間の競技選手らは、このダイヤルインのパフォーマンスで勝利を祝うという。シェルトンは会見で、ホロウェイは世界陸上で三連覇を果たしたばかりだと祝福の言葉を述べた。
Ben Shelton showing love to his fellow Gator and world-champion hurdler Grant Holloway with the "dialed in" celly
— SportsCenter (@SportsCenter) September 6, 2023
(h/t @mjholloway10) pic.twitter.com/ACBXg1HCSy
▼昨年プロデビューを果たしたシェルトンは準々決勝で、第10シードのフランシス・ティアフォー(米国)を破り注目の的に。
ジョコビッチはその後の会見で、「ベンのセレブレーションがただ気に入っただけ」と述べ、「非常に独創的だと思ったので、それをコピーしたんだ」と理由を述べた。ニューヨークポスト紙によると、ジョコビッチはESPNのインタビューでも、若い選手との対戦は、成長の機会やインスピレーション、モチベーションを与えてくれると語っている。
敗退したシェルトンは、特に気に留めていないようだ。ジョコビッチの仕草には、全く気づいていなかったという。SNSでアレコレ言われるのは好きではないと述べ、「試合に勝てば、何をやってもいいさ」「子供のころ、真似るのは賛辞の極みと教えられた」と語るなど、寛大な態度を示した。