平静な様子や先入観を持っていない様子をあらわす「虚心坦懐」。
虚心なんて言葉が入っていますが、これは心が虚ろになっている様子を表しているのではありません。
ポジティブな要素を含む「虚心坦懐」という言葉について、ここでは解説します。
目次
1.「虚心坦懐」とは
1.1.虚心坦懐の意味
1.2.虚心坦懐の用い方・例文
2.「虚心坦懐」のあらわすもの
2.1.「虚心」とは
2.2.「坦懐」とは
3.「虚心坦懐」の類義語
3.1.光風霽月
3.2.晴雲秋月
3.3.明鏡止水
4.まとめ
「虚心坦懐」とは

まずは「虚心坦懐」の意味と用い方や例文について見ていきましょう。
虚心坦懐の意味
虚心坦懐は、心になんのわだかまりもなく気持ちがさっぱりしていることをあらわしています。
先入観がなく不満も抱いておらず、物事をありのまま受け入れることができる様子を意味します。
虚心坦懐の用い方・例文
「虚心坦懐」は、理想的な心構えやあるべき姿に対する表現として用いられる四字熟語です。
・「虚心坦懐に話し合う」という用い方であれば、お互いに含むものを持ち込まないで議論する様であったり、お互いのことを先入観抜きで語り抜くことをあらわしています。
・「彼は誰にでも虚心坦懐に接する」、この用い方では彼という人物がどのような人物にも偏見を抱かずに交流を重ねる性格ということになります。
「虚心坦懐」のあらわすもの

ここからは、「虚心坦懐」の「虚心」と「坦懐」がそれぞれ何をあらわしているのかを見ていきましょう。
「虚心」とは
「虚心」は、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態を指します。
ここでいう虚心というのは、心がまっさらな状態をあらわしています。
けっして、虚無や空虚などといった「虚ろな心」を意味する言葉ではありません。
心に「わだかまり」「先入観」「私心」を抱いていないということになります。
「坦懐」とは
「坦懐」というのは、安らかな状態を指す「坦」と、心の内をあらわす「懐」を組み合わせた言葉です。
その意味も「坦」と「懐」を組み合わせたもので、わだかまりがなくさっぱりとした心穏やかな事となります。