米政府が、検索大手グーグルを独占禁止法違反で訴えた裁判の審理が来週からスタートする。
1998年にマイクロソフトを提訴して以来の大規模なハイテク企業に対する独禁法訴訟として、注目されている。
司法省とフロリダ州やジョージア州など11州が、米国の検索市場の9割近くを占めるグーグルを提訴したのはトランプ政権下の2020年10月。グーグルは「反競争的および排他的な行為」を通じて、検索および検索広告市場において不法に独占的地位の維持、拡大をはかっているとし、反競争によって生じた損害に対する救済などを求めている。
政府は首都ワシントンの連邦地方裁判所に提出した訴状で、グーグルは、デバイスメーカーやキャリア、ブラウザ開発者らと一連の排他的な契約を結び、検索エンジンのデフォルトの地位を確保、ライバルを阻止する反競争的行為に従事してきたと主張している。
契約には「アンチフォーキング契約」と「プリインストール契約」「レベニューシェア契約」という3つのタイプがあるという。
グーグルのアプリのプリンストールを希望するAndroid端末のメーカーに関して、同社はまず、グーグルの技術基準に準拠しない端末の販売を厳しく制限する「アンチフォーキング契約」への同意を要求。次に独自のアプリやAPIへのアクセスを許可する「プリインストール契約」を締結するが、これには、自社の複数アプリをバンドルすることや特定のアプリの削除を不可能にすること、デフォルトのホーム画面の最も価値の高い場所をグーグルに与えるといった条件が含まれるという。
検索広告収益の分配を定める「レベニューシェア契約」は、プリインストール契約でライセンスを与えられたメーカーのみに限定されるという。
レベニューシェアは、アンドロイド端末のパートナーに限らず、Chromeの競合ブラウザや他のデバイスとも締結している。
アップルは2005年にSafariのデフォルトの検索エンジンにGoogleを使用し始め、その代わりにデバイス上の検索クエリから得られたグーグルの広告収入の「相当な割合」を与えられているという。契約はこの2年後にiPhoneに適用され、2016年にはSiriとSpotlightにまで拡大されたという。