黒坂岳央です。
SNSで「36才のオタクが急にハマれなくなった話」という話がバズっている。昔は漫画やアニメが好きだったのに、年齢を重ねてハマれなくなってしまったというものである。
36才のオタクが急にハマれなくなった話(1/3) pic.twitter.com/DdNuaiGJJk
— 一秒 (@ichibyo3) September 6, 2023
「分かりすぎて泣いた」 「もはや新手のホラー」
と多くの共感が寄せられている。
自分自身、青春時代の思い出はゲームや漫画、アニメ一色であり、一時期しばらくは離れたものの、現在は月2本ペースで新作ゲームを買ってプレイする30年来のゲーマーなのでその気持ちはよく理解できる。
そしてこれは趣味というカテゴリに留まるものではなく、むしろ心豊かに生きる人生の戦略という大枠で捉えるべき話題に感じる。

Xavier Arnau/iStock
漫画の中でハマれなくなってしまう理由が取り上げられている。まとめると次のとおりだ。
・登場人物は10代、20代が中心。年が離れることで共感できなくなる。 ・ハマるには体力と時間が必要。
このように説明されている。これに加えて個人的に思うところとしては、
・人生経験を経ることで、他人の人生をトレースから得られる情報の新鮮味が落ちる。 ・たくさんの作品に触れ、過去作品の焼き直し感を覚える。
こうした理由もあると思っている。
自分自身、親になったことでゲームや漫画の登場人物の少年よりも少年の親の心情に共感してしまうことが多くなった。登場人物の年齢と離れてしまうことや、たくさんの作品を楽しむ過程でシナリオや展開の青写真が透けて見えることによって昔ほどの没入感がなくなってしまうという指摘は正しいと感じる。
底辺の世界を描いたカイジやウシジマくんがあれほどの大ヒットを飛ばした理由は、大人が人生を生きていくしんどさや、世知辛い世の中に対して心を打つ名言に共感できるポイントが数多く散りばめられていたからだろう。サブカルにハマる要素には共感が必要であり、年齢を重ねることでそれが難しくなるのだ。
それからSNS漫画の作者の指摘の通り、体力や時間の問題も大きい。自分も一時期、あれだけ好きだったゲームから完全に離れた。それは会社員としてキャリアを真剣に考えたり、起業に挑戦したりとあまりにも忙しくて楽しむ暇がなかったからという理由も大きい。起業が軌道に乗り、時間的な余裕を得たタイミングで、PS4とSwitchを買って再びゲームの世界に戻ってきた。現在はSteamというプラットフォームで継続している。やはり時間の余裕は絶対的に必要なのだ。