簡単に決められないような物事に決着をつける事を意味する「けりをつける」。
難題となっている事案や物事に対して、決着をつけて終局させる際に用いられる語句となっています。

そんな「けりをつける」ですが、漢字では「蹴り」という表記にはなりません。
では、「けり」とはそもそも何を指しあらわしているというのでしょうか?

ここでは「けりをつける」の意味とともに、この言葉の由来について解説します。

目次
「けりをつける」とは
 ・「けりをつける」の意味
 ・「けりをつける」の類義語
「けり」とはなんのこと?
 ・古典で用いられる助詞「~けり」を由来とする説
 ・語り物や謡い物の締めくくりから来たとする説

「けりをつける」とは

「けりをつける」の「けり」は、「蹴り」ではなく古文でよく出てくるあの言葉が由来です!
(画像=『FUNDO』より引用)

まずは、「けりをつける」がどのような意味の言葉なのか、どのような類語があるのかを見ていきましょう。

「けりをつける」の意味

「けりをつける」とは、事案もしくは問題に決着をつけて終局することを意味しています。
特に簡単に決められないものや、一筋縄ではいかない出来事に決着をつける際に用いられます。

「けりをつける」の類義語

「けりをつける」の「けり」は、「蹴り」ではなく古文でよく出てくるあの言葉が由来です!
(画像=『FUNDO』より引用)

「けりをつける」の類義語としては、「丸く収める」「収拾を付ける」などが挙げられます。
これらの言葉は、事態が錯綜している状態から、結論を導き出して解決する際に用いられます。

その他には、物事の終わりを意味する「幕切れ」「終止符を打つ」「幕を閉じる」なども「けりをつける」の類義語といえます。
いずれも物事に決着をつけるという意味がある言葉です。

「けり」とはなんのこと?

「けりをつける」の「けり」は、「蹴り」ではなく古文でよく出てくるあの言葉が由来です!
(画像=『FUNDO』より引用)

「けりをつける」の「けり」を漢字表記にすると「蹴り」には・・・なりません。
そもそも、漢字表記の無くひらがな表記のみです。

では、「けり」とは一体何を表しているものなのでしょうか?

古典で用いられる助詞「~けり」を由来とする説

「けりをつける」の「けり」は、古典で用いられる助詞が由来となったのではないかとされています。

古典の一種である和歌や俳句などでは、その終わりを「~けり」という助詞で締めくくることが多いです。
特に「なりけり」「ありけり」のような語で結ぶことが多くなっています。

この「けり」から、「けりをつける」という言葉が来たのではないかとされているのです。
これら古典で使われる「~けり」は、いずれも「~だった」という過去を表す意味や、「~だなぁ」などの感動を表す意味があります。

語り物や謡い物の締めくくりから来たとする説

平家物語をはじめとした、語り物や謡い物では、「そもそも」という語りから始まり、「けり」で語りを納められることが多く、ひとつのパターンとなっていました。
そこから、締めくくりを指す「けり」が、決着を指す「けりをつける」として使われるようになったのではないかという説もあります。

どちらにしても、締めくくりを意味するところから「けり」が用いられるようになったわけですね!