ウェザーニューズは、スーパーマーケットや飲食チェーンの店舗の発注業務やシフト管理のDX化を推進するため、気象データ提供・分析サービス「WxTech®️(ウェザーテック)」において、小売や飲食事業者向けに業界最高レベルの1kmメッシュの天気予報を用いた「来店客予測データ」の提供を開始したことを発表しました。
スーパーマーケットやアパレルなどの小売店や飲食店の需要は天気の影響を大きく受け、食品ロスやスタッフの過不足などの原因となっています。そこで、当社は高精度かつ高解像度な1kmメッシュの天気予報を活用した「AI来店客予測モデル」を開発し、2週間先までの「来店客予測データ」の提供を開始しました。1kmメッシュ過去天気予報データ・店舗の来店客数・カレンダー情報の3つの過去データを機械学習させて構築した独自の「AI来店客予測モデル」に、最新の1kmメッシュの天気予報を取り込むことで、店舗の来店客数を高精度で予測します。日々の天気による来店客の変動だけでなく、台風接近や大雪など荒天時の買い控えも考慮します。企業は本データを取り入れることで、発注やシフト調整の業務時間を削減できるだけではなく、自動発注に導入される場合は精度向上に伴うチャンスロスや見切・廃棄ロスの削減も期待できます。
首都圏で食品スーパーを運営する株式会社マルエツ(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:本間正治)は「来店客予測データ」を全305店舗に先行導入し、段階的に発注システムやレジシフト管理システムと連携させてきました。予測客数を全店舗に配信し、店舗での客数予測や入力作業を原則不要にすることで、自動発注数の精度向上やレジシフトの最適化など、店舗業務の効率化を実現しています。月間の客数予測の精度は95%以上の高精度を維持しています。
マルエツが全店舗に導入、来店客数の予測精度95%以上を実現<
株式会社マルエツは、首都圏の1都5県に305店舗(2023年7月時点)を展開する大手食品スーパーマーケットチェーンです。デジタル化を積極的に推進し、多様化するお客様のニーズに応えるサービスをはじめ、従業員が働きやすい環境整備に取り組んでいます。
従来は、店舗の管理職が前年の実績や経験に基づいて予測した2週間〜2か月先の来店客数を、発注システムとレジのシフト管理システムにそれぞれ入力していましたが、店舗によって予測にバラツキが生じることや予測に時間を要することが課題となっていました。さらに、来店客予測は、天候の影響を大きく受けるため、売れ残りによる食品ロスや、品切れによる機会ロスが発生するほか、シフトや人員配置の調整に不備が生じることも問題でした。

これらの課題を解決するにあたり、ウェザーニューズ社の来店客数の予測精度が高かったことから、2022年9月に「来店客予測データ」を先行導入し、段階的に発注システムやレジのシフト管理システムへ連携してきました。現在は全店舗に自動配信・入力される予測客数を管理職がチェックし、必要時のみ修正を行っています。これにより店舗での客数予測や入力作業が効率的になったことで、自動発注数の精度向上やレジシフトの最適化など、店舗業務の効率化を図ることができています。

具体的には、全305店舗の7月度客数修正率は0.5%(地域催事等による客数修正対応)で、月間の客数予測の精度は95%以上の高精度を維持しています。また、店舗による客数予測および客数入力の年間MH(Man Hour)効果は、およそ1,100MHとなっています。
今後、マルエツはこの「来店客予測データ」をさらに他のシステムとも連携させ、店舗オペレーションのさらなる効率化や、より効果的なデジタル変革として販促施策の取り組みにもつなげていく予定です。

経験に基づく商品発注の課題解決へ
スーパーマーケットやコンビニ、アパレル、ドラッグストア、ホームセンター、飲食店では、従来から天候の影響を大きく受けて、売れ残りや品切れによる“食品ロス”や“機会ロス”のほか、シフトの調整ミスによる“スタッフ不足・過剰”が発生しています。しかし、店長が人力で売上や需要予測、シフト調整を行う場合、天気まで考慮するのは難しく、経験やスキルの差によってばらつきが生じ、発注業務の時間もかかってしまうことが課題となっています。これらの課題解決のため、スーパーマーケットや飲食チェーンでは「自動発注システム」の導入が進められています。
正確な自動発注の実現には来店客の予測データが必要になるため、当社は1kmメッシュの天気予報とAIアルゴリズムを用いた高精度な「AI来店客予測モデル」を開発し、気象データ提供・分析サービス「WxTech®️(ウェザーテック)」サービスにおいて、店舗ごとのピンポイントな「来店客予測データ」の提供を開始しました。
本サービスは、日々の天気による来店客の変動に加えて、台風接近や大雪が予報される場合の当日の買い控えのような、荒天時の購買傾向も考慮します。