【概要】
2006年11月7日午後4時15分頃、米イリノイ州シカゴのオヘア空港の上空でUFOが目撃された。ユナイテッド航空の地上スタッフ12名を含む多くの人々によって上空に浮かぶ円盤状の浮遊物体が約5分間目撃され、物体は突然垂直に急上昇して雲に穴を開けて飛び去っていったという。当時は穴空き雲だとして天文学者も同意したが、この度、この飛行物体はUFO(※1)であり、「アルクビエレ・ドライブ」と呼ばれる理論的なワープ航法をしていた可能性を物理学者30人が主張している。
【詳細】
2006年に米シカゴのオヘア空港で起きたUFO目撃事件に新たな動きか――。気鋭の物理学者チームがオヘア空港のUFOは“ワープドライブ”で推進していたと主張している。
オヘア空港のUFOはワープ航法をしていた!
2006年11月7日午後4時15分頃、米イリノイ州シカゴのオヘア空港の上空でUFOが目撃された。ユナイテッド航空の地上スタッフ12名を含む多くの人々によって上空に浮かぶ円盤状の浮遊物体が約5分間目撃され、物体は突然垂直に急上昇して雲に穴を開けて飛び去っていったという。
この目撃に関する連邦航空局(FAA)の無線通信テープが情報公開法(FOIA)を通じて公開されたこともあり、当時国際的なニュースになった。

FAAはこの事件を「穴空き雲(hole punch cloud)」のせいだとし、当時シカゴのアドラープラネタリウム&天文学博物館に所属していた天文学者、マーク・ハマーグレン氏も同意したが、事件は未解決のままであり今もUFO研究者を悩ませている。
しかし最近になってこのオヘア空港UFO目撃事件が新たな展開を見せている。
民間資金による研究チーム「Applied Physics」で研究活動を行う物理学者30人は先日、2006年のオヘアUFO事件は「アルクビエレ・ドライブ(alcubierre drive)」と呼ばれる理論上の星間推進システムの明らかな兆候を示していると主張したのだ。
アルクビエレ・ドライブは1994年にメキシコの理論物理学者、ミゲル・アルクビエレによって最初に提起されたアイデアである。SFドラマ『スタートレック』に登場するワープ航法のような推進方法であり、空間と時間の構造を機体の周囲で曲げることによって星間を超光速で移動することができる。
同チームの最高科学責任者(CSO)である理論天体物理学者のアレクセイ・ボブリック氏は、2021年に科学誌「Classical and Quantum Gravity」に掲載した研究論文でアルクビエール駆動航空機の理想的な形状を説明する計算を初めて発表した。
ボブリック氏は、ワープ航法においてエネルギー効率が最も高い形状は平たい円盤型か球体であると理論づけた。そして2006年のオヘア空港で目撃された円盤型UFOはアルクビエレ・ドライブに類する推進方式で移動していることを示唆したのである。
研究チームによるこのUFOの分析は、科学的偏見に異議を唱え、人々に大胆な質問をするよう促すインスピレーションを与えることを期待した興味深い思考実験として意図されたものであるということだ。
