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- 本調査について
■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:373名(うち、お通し代・サービス料が発生する業態の経営者・運営者 272名)
調査期間:2023年8月9日~2023年8月16日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち83.6%が2店舗以内の運営店舗です。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は55.5%(首都圏の飲食店の割合は71.3%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
また、72.9%の回答者が、一般的にお通し代やサービス料の発生する業態(レストラン・和食店、居酒屋、バーなど)を運営していると回答しています。
▼お通し代やサービス料の発生する業態か

- 調査結果について
■「お通し代」を請求する飲食店は50%から38%に減少も、70%が何らかのチャージ料を請求
お通し代やサービス料の発生する業態を運営していると回答した人に対し、会計時の請求に含まれる項目について聞いたところ(複数回答可)、「お通し代(38.2%)」、「サービス料(15.1%)」、「席料(28.7%)」、「いずれも請求していない(29.4%)」、という回答になりました。
2018年の調査と比較すると、「お通し代」を請求している飲食店(50%)は12%減少。代わりに「席料」の請求が6%増加する一方で「いずれも請求していない」飲食店も6%増加する結果となりました。
▼会計時に請求している項目 ※複数回答(N=272)

具体的な飲食店の取り組みを聞いたところ、さまざまな声が寄せられました。
<お通し代 / 席料の導入>
・物価高騰等のため、商品全体の値上げよりお通し代を実施した。 (岐阜県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・無料の乾き物の提供から、手作りの惣菜に変更し、お通し・席料を頂くようにした。 (東京都/バー/1店舗)
・アルコール消毒や使い捨ておしぼり、次亜塩素酸噴霧器を導入した為、経費が以前よりかかることから席料・衛生対策代として1人200円もらうようになった。 (沖縄県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・席を間引いた分、客単、客質を上げる必要があったので滞在時間により席料を加算するシステムをとるようにした (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
<請求項目を変更>
・以前はお通し代として頂いておりましたが、要らないと言うお客さんや慣習の無い外国人が来るため、名目上、席料及びチャージと位置付けしました。 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
・バーなので、スタッフドリンク¥1000だけいただくようにしました (愛知県/カラオケ・パブ・スナック/2店舗)
・お通しの有無を選べるようにした (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
■お通しの価格は40%が「300円〜399円」。2018年よりも値上がり傾向
また、お通しを提供していると回答した店舗に対し、お通し代について聞いたところ、ボリュームゾーンとしては「200円~299円(11.5%)」、「300円~399円(40.4%)」、「400円~499円(14.4%)」、「500円~599円(21.2%)」、「600円~699円(5.8%)」という結果になりました。
2018年の調査と比較すると、「300円~399円」が48.3%から40.4%に7.9%減少、「400円~499円」が11.5%から14.4%に3.9%増加、「500円~599円」が17.2%から21.2%に4%増加、「600円~699円」が4.6%から5.8%に1.2%増加と全体的に価格が上昇傾向にあることがわかりました。
▼お通しの金額は? (N=104)

お通しの金額や内容について変更したことについて聞いたところ、「値上げ」や、お通しのグレードを下げることで実質値上げを行っている意見が散見されました。
<値上げ>
・税込みにして、50円上げた (東京都/イタリア料理/3~5店舗)
・時給アップの為、お通し代200円から250円へ、二階座敷席のみ席料200円を新設。(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
<お通しをダウングレード>
・食品ロスを無くすため、手作り料理からスナック菓子に変更しました。お通しカットも可能にしました。 (埼玉県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)
・一品料理を作っていたが、乾きものに変更した。 (東京都/バー/1店舗)
・安い食材に変更 (埼玉県/洋食/1店舗)
■1年以内に「お通し代」を値上げした飲食店は20%
続いて、お通しを提供している店舗に対し、最近の物価高騰の影響がないか調査するため、直近1年での「お通し代」の価格変更について聞きました。1年以内の価格変更として、「値上げした(20.2%)」、「変更していないが、値上げを検討中(16.3%)」、「値下げした(1.9%)」、「変更していないし、する予定もない(61.5%)」という結果になりました。
今後も物価高騰が考えられることと、値上げを検討中の飲食店が16.3%あるため、今後「お通し代」を値上げする飲食店は増える可能性が考えられます。
▼1年以内に「お通し代」の価格変更をしましたか?(N=104)

■「お通し」を提供する飲食店の64%が「質にこだわっている」
次に、お通しを提供している店舗に対し、「お通し」を提供する上で実施していることについて聞いたところ、64.4%が「お通しの質にこだわっている」と最多の回答。続いて、42.3%が「定期的なメニュー変更を行っている」、25%が「お通しの説明を目立つ場所に明記している」と回答しました。ただ、お通しへの理解が得られないお客様が一定するいるようで、「『お通しカット』を可能にしている(22.1%)」、「外国人客へは提供を行っていない(16.3%)」という結果になりました。
▼「お通し」を提供する上で気をつけていることは?※複数回答(N=104)

続いて、「お通し」を提供している飲食店に、運営されているお店の「お通し」について、自慢できるポイント・工夫しているポイントを聞いたところ、さまざまな声が寄せられました。