故坂本龍一氏の意思を次いでサザンオールスターズの桑田佳祐氏が三部作作品の最後の曲「Relay, 杜の歌」を発表、神宮外苑再開発に関する疑問をその歌詞にぶつけています。
誰かが悲嘆いてた、美しい杜が消滅えるのを…
麗しいオアシスが、アスファルトジャングルに変わっちゃうの、Ah…
桑田佳祐氏が学生時代を過ごした青山学院からほど近く、自らのスタジオもある千駄ヶ谷の目と鼻の先にある外苑再開発は2018年11月に策定された東京都の「オリンピック後の神宮外苑地区の街づくり指針」をうけたものです。22年には東京都の都市計画公示決定を受け、土地の持ち主である明治神宮とデベロッパーの三井不動産が主体となり、更に独法スポーツ振興センターと伊藤忠商事が開発の準備を進めてきました。

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開発計画反対の声は21万を超えるとされますが、ほとんど立ち止まることなく、準備は進んできています。都は必要な手続きを踏まえたというスタンスなのだと思いますが、開発そのものを都民がじっくり考える余裕のないコロナ禍の中、準備だけが進んでいった、という感じもします。
今、反対の声の主流は環境破壊といった問題だと思いますが、私は全く違う視点でこの問題を捉えています。
まず、伐採は確かに行われますが、一定数の植林も行われます。環境活動家は立派な木を伐採するとは何事!というスタンスですが、木のCO2吸収量は樹齢20年程度までが最も活性化するため、一定年限での植え替えは悪い話ではないのです。よって伐採反対派の声は個人的にはあまりピンとこないのです。
それより重要なのは外苑の意味であります。
外苑とくれば当然内苑があるわけですが、それが明治神宮であります。内苑と外苑の関係は日本の文化的に一部で取り入れられています。例えば伊勢神宮の内宮と外宮とか皇居の内苑、外苑といった例があります。内苑が主たる政に対して外苑は食事や宴を祝うという意味を持たせているとされます。