リッチなオジサンになるとクルマの使い方も変わってくるでしょう。ステータスであり趣味であることに加えてライフスタイルに合わせた使い方も求められることは言わずもがな。市場も変化したクルマの世界で感じさせる幅と余裕とは一体どのようなことなのか、加藤章太郎氏と戸賀編集長が改めて考えます。
買えないクルマ事情はもはや酒のつまみか!?
加藤 J PRIMEの愛車遍歴の連載も読ませてもらっていますが、戸賀さんは本当にクルマがお好きですよね。
戸賀 幸運なことに免許をとってからさまざまなクルマに乗ることができて、酸いも甘いもたくさんの経験をさせてもらったよ(笑)。章太郎くんも結構乗ってきたんだよね。
加藤 初めて買ったクルマはルノーのサンクでした。18歳のときにメンズクラブのロケで言ったパリで見て、どうしても欲しくて。
戸賀 あの頃はイタリア車とかフランス車がどんどん入ってきて、本当に素敵に見えたよね。

加藤 そうなんです。その後はBMWのM3とかラングラーなど、さまざまなクルマに乗りました。唯一2シーターのスーパーカーは乗っていないですね。選びの基準に一貫性はなくて、本当にそのときの気分で選んでいる感じですね。
戸賀 幅広く乗っていくのも楽しいよね!
加藤 とはいえ…時計と同様にクルマもまったく買えませんよね。お金があるのに買えないってなかなか考えられない状況というか…。
戸賀 本当にそうだよね…。ゲレンデは注文すら受け付けていない状況だし、ポルシェもタルガやカブリオレが2年待ち…。レクサスの一部だって同じような状態。新型のレンジローバーだって街で見るようになったのはここ半年みたいな状態だからね。
加藤 リッチなオジサンにとってはクルマは趣味性の高いものだと思うので、遊びをひとつ削られたような気持ちになっている人も多いですよね。
戸賀 僕もその一人(笑)。クルマをとりまく環境は僕たちが若いころと全然変わったよね。
加藤 本当ですね。若い子はクルマに興味がないなんて言いますし。でも僕はクルマがない人生なんてあり得ないと思っていますから。

戸賀 リッチなオジサンたちは同じことを思っているだろうね! 加えて最近は全面EV化も進んでいたり、クルマを趣味にしている人からすると少し窮屈な感じもしてしまうよ。
加藤 それでも興味や欲を失わない魅力があるのもクルマ。そうじゃないとこんな話になりませんよね。
戸賀 その通り! 好きだからこそ年齢やライフスタイルに応じた使い方の変化も感じているんだ。若いころはデートの道具である部分も多分にあったんだけれど、今は違うよね。ゴルフ、レジャーに家族との時間だったりね。