地震が何処で発生するか、これを予想することはいくら科学が発達した現代とは言え、難しいと考えています。例えば東海沖の地震が起きるからと伊豆は危険と80年代に盛んに言われました。結局、あれから40年ぐらいたっていますが、伊豆では震災で大きな被害はありません。極端な話、震災はアットランダム(無作為)だと意識した方がよいのでしょう。その中でやや内陸の平地は理に適っているし、例えば上記の白河あたりだと福島空港があり、新幹線の新白川や郡山の駅があり、東京まで新幹線が動いていれば1時間強の距離です。愛知岐阜も同様の発想では悪くないと思いますが、京都中心の社会から東京中心の社会に移っていることから新幹線機能が失われた時、物理的距離は重要かもしれません。

もう1つの自分の住宅が建っている土地は堅固か、という点は将来の住宅価値の査定も含め、重要になってくると思います。私がバンクーバーでやった開発物件を販売している頃、日本最大手のゼネコンの技術者がリタイアを前提に購入を検討してくれたことがあります。その方が私に言ったのは開発地を含めた周辺の地盤調査書を見せてくれ、でした。私がやった開発案件は2棟だけ埋立地、残り6棟が硬い岩盤の上に建っています。ゼネコン技術者氏はこの埋め立ての上の物件が良かったけれど埋め立てじゃだめだ、と言って購入しませんでした。

東京の場合、湾岸地区の高層マンションは個人的には怖くて住めないです。東京湾は湾口が狭いので津波の被害よりも、液状化現状が怖くなります。仮に倒壊しなくても高層ビルは構造的に極めて緻密に出来ているので歪みができると非常に厄介になると思います。また埋め立ては海岸沿いだけではなく、沼地を埋め立てたり軟弱地盤のところもあります。更に木造家屋が密集している場合は火災の危険もあります。そのあたりを自分なりにアセスしたうえでいざという時の対策を考えることは重要かと思います。直下型地震が起きても被害はケースバイケースになることは大いにあり得そうです。

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では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年9月1日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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