最近、霞が関に入った若い人たち(転職した人・しようとしている人も含む)のキャリアについて考える機会が色んなところであります。

色々な人たちと話していると、若い人たちが自分の若い頃とは違う環境に置かれていることや、自分が若い頃に悩まなかったことを色々と考えていることが分かり、僕自身も勉強になります。

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そういう中で、「官僚(転職者を含む)のキャリア形成」について考えてみたので内容をまとめてみました。目先の5年、10年とかじゃなくて長い意味でもキャリア形成をですね。

では、お読み下さい。

若い頃は事務処理能力の正確性が求められるので、勉強ができる人が重宝される面が大きい。 また、特定の政策分野に詳しい、法令業務のスキルが高いなど、具体的な能力が見えやすい。

ただ、上に行くに従って、仕事の内容や役割が変わっていきます。単純に言うと、ものを作る役割から、意思決定プロセスを回す役割にシフトしていきます。営業、広報、渉外みたいな役割が大きくなります。また、誰かに作業をお願いしないといけなくなります。

したがって、上に行けば行くほど以下のような「抽象的な能力」が必要になります。

意思決定プロセスをうまく回すための根回しをうまくやるための営業みたいな能力が必要になる 誰かに作業をお願いしないといけなくなるのでマネジメント能力が必要になる 人や予算などを組織のリソースを確保するための交渉力も必要になる 先を読んでリスクマネジメントしたり、トラブルシューティングをちゃんとやる危機管理能力も必要になる 大勢の前で説明する機会が増えるのでプレゼン能力も必要になる 声の大きな人、力の強い人に恫喝や罵倒される場面にも出ていくので、コミュニケーション能力が必要になる 目的を達成するためには、情報収集や様々人の協力が必要なので組織内外の人脈も必要になる