バチカンとモンゴル間の外交関係は1992年から始まった。モンゴルが1990年代初頭に民主化するにつれて、キリスト教の宣教師たちも再びモンゴル入りできるようになった。現在、モンゴルで活動している宣教師は約70人だ。そのうち約25人は神父、約30人は修道女、そのほか、信者宣教師だ。聖職者の出身は27カ国に及ぶ。モンゴルからの神父も2人いる(バチカンニュースから)。
キリスト教徒はモンゴルでは少数宗派だけに、他の宗教との対話が重要になる。特に仏教界、シャーマニズム界、その他の宗教界、たとえばイスラム教などとの関係は大切になるという。
モンゴルで「宗教の自由」が憲法に明記されて以来、宗教による差別は禁止され、国と教会は政教分離が原則だ。伝道活動には厳格な規則が適用されるという。
フランシスコ教皇は25日、ローマの使徒宮殿の窓から「アジアの中心地、モンゴルへの旅を楽しみにしている。待ち望んできた訪問だ。数的には少ないが信仰に生きる大きな愛の教会と、高貴で賢明な宗教的伝統を持つ偉大な民族に出会う機会を感謝している。特に、宗教間のイベントを通じてお互いを理解することができることを願っている」と述べている。宗教間対話イベントは来月3日、ウランバートルのフン劇場で開催される。信仰を分かち合い、異なる宗教間の交流を図る場となる予定だ。
フランシスコ教皇は、「私はモンゴルの皆さん、兄弟姉妹に向けて、あなたたちの間の兄弟として、あなたたちのもとに行くことを楽しみにしています。温かい招待をしてくださった政府に感謝し、私の訪問を熱心に準備してくれる皆さんにも感謝します。皆さんにお願いです、この訪問を祈りとともに支えてください」と語っている。
バチカンが発表した教皇のモンゴル訪問の日程によると、31日午後18時30分に、教皇はカトリック教会の最高指導者として初めてモンゴルへの旅に出発し、9月1日の朝、モンゴル時間で午前10時にウランバートル国際空港に到着する。その後の数日間、教皇は国内のカトリック信者との会合に加え、教会間および宗教間の対話相手、政府代表者、市民社会の代表者と会い、社会プロジェクトの開始式に出席する。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年8月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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