これらの環境変化の結果、日光、箱根、熱海、鎌倉といった東京近郊の手軽な観光地が人気となり、日本人、外国人ともに観光客が殺到しているのです。
このような観光パターンの変化は、これからも当面続くことになりそうです。
熱海の駅前商店街は、かつての干物とかまぼこの寂れた街のイメージが薄くなり、熱海プリンに代表されるスイーツ系のお店が増えています。なんだか原宿の竹下通りに来たような気分です。
雑多なお店が密集するいかにも日本らしい猥雑な情景ですが、賑やかな街になるのは地元の人には良いことなのかもしれませんが、昔の温泉街の風情が消えていくのは寂しくもあります。
多くの日本人が海外旅行もヨーロッパではなく、近場で安いアジアに出かける。国内旅行も日帰りや1泊で行けるようなあまりお金のかからない近場を選ぶようになる。
熱海の人気は日本人の没落の裏返し。そう思うと、街の賑わいが何だか哀しく見えてきました。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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