ワイン好きの友人が還暦を迎え、毎月「これぞ」というワインをみんなで飲む会をはじめました。今まで購入して大切に保管していたワインが飲めない年齢になる前にシェアしたい仲間と味わっておきたいと考えて、始めた企画のようです。

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若い頃は、ワインをセラーにどんどん増やしてストックするのが当たり前だと思っていても、ある瞬間からその考え方に疑問が生まれます。
セラーに残っているワインは墓場に持っていけないという現実に気が付くからです。
新たに購入して、結局飲みきれないワインを貯めこんでも意味がありません。それよりもストックされているワインを飲む量を増やせば、セラーに入っているワインを減らせます。
美味しいワインであればあるほど、体力のある元気なうちに飲んでおくべき。極めて合理的な考え方です。
これはお金との付き合い方でも同じです。
私は社会人になってから資産形成の大切さを意識し、「収入>支出」からの差額を投資に回し続けてきました。お金がお金を生み出す複利の効果を享受するには時間がかかります。20代から始めたことは、今から考えれば極めて効果的でした。
しかし、このような支出をコントロールする生活スタイルをいつまでも続けているのは、賢明なお金との付き合い方ではないと感じるようになっています。
還暦を控えて、そろそろ「支出>収入」という使うモードへの転換を考えるべきではないかと考えてしまうのです。
その発想は、ワイン好きの友人と同じです。