雲上時計から遊びの時計まで、リッチなオジサンが嗜むアイテムとして欠かせない腕時計。憧れのモデルを全部所持しているという方もいらっしゃるかと思いますが、すべてのモデルを使うシーンや着こなしまで考えられていますか!? 腕時計ってムーブメントや歴史と同じくらいこなし方も奥が深いと加藤章太郎氏と戸賀編集長は考えています。

”自己主張“は欠かせない! 一方で選びの幅も大切

加藤 僕が今日着けている時計は20歳のとき、当時のメンズクラブのメインモデルに抜擢された際に記念に購入したロレックス。毎日つけているってわけではないんですが、もう30年以上愛用しています。今回は周年企画のお話だったのでこれをつけてきました。戸賀さんは時計をたくさんお持ちですよね。

「所有欲」と「似合う」を両立するリッチなオジサン的腕時計の幅との付き合い方
(画像=『JPRIME』より 引用)

戸賀 若い時の記念に手に入れた時計ってやっぱり特別だよね。僕もなんでもかんでも買っているわけではなくて、ロレックス「デイトナ」とか節目で頑張って買った時計を今でも大切にしているよ。

加藤 昔は時計やクルマを購入するってイベントでしたけど、今はその時と同じような考え方ではありませんよね。でも、とにかく時計を手に入れるって困難になってますからね…。

戸賀 本当にそうだよね…。お金があるのに買えないことに困るって凄まじいことだよ。

加藤 リッチなオジサンたちは年に2〜3本購入されているような方々ですから…やるせない気持ちもありますよね。新作時計をいち早くということもアピールポイントだと思いますし。時計が好きなリッチなオジサンはコレクションというだけでなく、シーンや服装に合わせて楽しんでいる方もたくさんいらっしゃいますしね。

戸賀 世界中の男にとって時計は自己主張のために欠かせないアイテムだからね。とはいえリッチなオジサンのアピールは上品である必要があるかな。

加藤 腕時計って思っている以上にTPOとかその日に会う人とかで選び方が変わりますよね。若いときは全然意識していなかったけれど…やっぱり見られているモノだなと認識しますし。良い時計=最良の選択とは違うんだなと。

「所有欲」と「似合う」を両立するリッチなオジサン的腕時計の幅との付き合い方
(画像=『JPRIME』より 引用)

戸賀 本当にその通りだよね。最高峰の一本を使い回すとか、いつでもどこでも、何を着ていても雲上時計を着ける、みたいなことはしないと思うんです。Tシャツと合わせるなら、ショーツと合わせるなら、カウンターだけのお店なら、デートなら、大切な商談なら…など、その日の予定や服を加味した上で選ぶ必要があると、僕は言い続けているんです。

加藤 本格時計を複数本所持することができるリッチなオジサンだからこその悩みでもありますよね。

戸賀 そうそう。何本も所有できるならやっぱり合わせ方、使い方も考えるべきだよね。別の機会でも話したけれど「時計が歩いている」と思われたらカッコ悪い。これってなぜこう思われるかって、バランスが悪いからだと思うんです。服とかシーンとかに馴染む本格時計が選べていれば馴染んでしまう分、こんな思われ方しませんよ。スーツならオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」、でもカジュアルな格好をした休日ならパネライ「ルミノール」みたいな使い分けができるほうがセンスを感じさせられますしね。

加藤 近くのカフェに行くラフな格好に雲上時計をしているのって、パートナーも嫌がりますよね(笑)。

「所有欲」と「似合う」を両立するリッチなオジサン的腕時計の幅との付き合い方
(画像=『JPRIME』より 引用)

戸賀 本当にそう思うよ(笑)。ちょっとあからさま過ぎるもんね。所有できるのはリッチなオジサンなら当たり前。その先にどう使いこなすかでセンスとリッチをアピールしないともったいない!

加藤 とくに最近はオフシーンだけではなく、ビジネスの服装もカジュアル化しているので、文字通り腕の見せ所ですね!

戸賀 うまいこと言うね(笑)。世界中で服装もこれだけ変化しているんだから時計の着け方だって変わってしかるべきだよね。リッチなオジサンになると成功の証として時計を着けるというより、ファッションだったり趣味だったり、生活の一部のはずだからね。