サムスン電子が、折りたたみ可能な2つのスマホを9月1日(金)にドコモとauから発売します。

今回発売するのは「Galaxy Z Flip5」と「Galaxy Z Fold5」の2機種。両モデルは、22年に発売された「Galaxy Z Flip4」「Galaxy Z Fold4」の後継機。閉じるとコンパクト、開くと大画面というコンセプトは基本的に踏襲しています。

ヒンジを大きく改善。わずかなすき間もフラットに

2機種ともに、ディスプレイを折りたたむ際に支えとなるヒンジ(蝶つがい)を大きく改善しています。

9月1日に発売されるサムスン電子のGalaxy Z Flip5(左)とGalaxy Z Fold5(右)


これによって、閉じたときに画面と画面の間にできるすき間がほぼなくなり、わずかなすき間もフラットになりました。

Galaxy Z Flip4、Galaxy Z Fold4までは、ヒンジ側に近づけば近づくほどすき間が大きくなり、均等に折り曲げることができませんでした。そのため、ヒンジ部に近くなるほど厚みが増しています。

これを解決したGalaxy Z Flip5、Galaxy Z Fold5では、そのぶん、大幅に薄型化しています。

たとえば、縦折りタイプのGalaxy Z Flip5は、折りたたんだときの厚みが前モデルの17.1mmから15.1mmへと2mmの薄型化に成功。2mmと聞くと、わずかな改良にも思えますが、その比率は1割以上になり、手に取ったときに違いはすぐに分かります。

より大きく薄型化できているのがGalaxy Z Fold5。こちらは前モデルの15.8mmから13.4mmへと、2.4mmも薄型化しています。

ヒンジ部分が、いかに折りたたみスマホをスリムにするうえで、ボトルネックになっていたかがよく分かります。

新開発の部品「フレックスヒンジ」の凄さとは

Galaxy Z Fold5の底面。前モデルまであったヒンジ部のすき間がほぼなくなり、並行に折りたためていることが分かる


このピタッと折りたたむ仕様は、「フレックスヒンジ」と呼ばれる新開発の部品によって実現しています。

Galaxyに採用されているディスプレイの有機ELは、曲げることが可能な柔軟性を持ってはいるものの、紙のようにクッキリと強く折り曲げてしまうことはできません。そのため、普通に折りたたもうとすると、どうしてもすき間ができてしまいます。

そこでサムスンは、フレックスヒンジによってディスプレイの曲がる部分を水滴のような形に曲げるギミックを取り入れました。ヒンジの内側にその折り曲げた部分を収納することで、あたかもすき間がないかのように見えるというわけです。

また、水滴型に折り曲げる際にかかる力を分散させるよう、折り曲げる中心点の横に2つのレールを設けています。この部品を装着することで、曲げたときの力が逃げ、耐久性が増したといいます。

折り曲げる部分を水滴のような形に曲げ、力を分散させる仕組みを採用

画面と画面はこのようなヒンジで均等に動かしている