令和3年11月1日から発行が開始された新しい500円硬貨。令和3年には2億枚が発行済み。しかし「2億枚」も発行されている割に、実際に手にする機会は少なく、まだ見たことがないという人も多いのではないでしょうか。
では、なぜ新しい500円硬貨はあまり流通しないのでしょうか?その理由と、新しい500円硬貨の特徴について解説します。
令和3年発行開始「新500円玉」を見かけないのは何故?
新しい500円硬貨は偽造防止技術の強化などの観点から、従来の500円硬貨とは異なるデザインや素材、加工技術へと変更されました。
旧500円玉で使われている素材はニッケル黄銅のみ。そのため、見た目は一色でした。しかし、新500円玉は外側のリングがニッケル黄銅で、内側は2枚の白銅で銅を挟んでいるという3層構造。最先端技術が施されていますが、実は筆者も1度しか実物に巡り合ったことはありません
後述しますが、新しい500円玉があまり流通しない理由には、キャッシュレス決済の普及や対応コストを理由に自動販売機や券売機の対応が進んでいないことが挙げられます。
新500円玉の特徴
新500円玉の特徴を詳しくご紹介します。
そもそも従来の500円玉との違いは何?
前述の通り、新500円玉にはニッケル黄銅、白銅、銅という3つの素材が使用され、側面には大量生産型貨幣で使用されるのは初めてだという「異形斜めギザ」という斜めのギザギザ、フチに「JAPAN」「500YEN」の文字があるといった特徴があります。
こちらは旧500円玉。前述した通り、素材はニッケル黄銅のみのため、新500円玉より若干軽くなっています。フチは等間隔のギザギザとなっています
それぞれの特徴は以下の通りです。
新しい500円貨 | 従来の500円貨 | |
素材 | 3種類(ニッケル黄銅、白銅、銅) <バイカラー・クラッド> |
1種類(ニッケル黄銅) |
重さ | 7.1グラム | 7.0グラム |
大きさ | 直径26.5ミリメートル(同じ) | |
側面 | 異形斜めギザ | 斜めギザ |
発行時期
新500円硬貨は、令和3年11月1日から発行(日本銀行から金融機関への支払)を開始。2000年以来、21年ぶりの新しい500円玉の発行となりました。
発行枚数
新500円玉は令和3年度に2億枚が発行され、その後も発行され続けています。
従来の500円硬貨は引き続き使える?
従来の500円硬貨は、新500円玉が発行された後も引き続き利用可能です。2023年現在では500円玉が流通しやすい自動販売機や券売機では「旧500円玉」にしか対応していないケースも多く、新500円玉は流通こそしているものの消費者目線では「まだまだあまり実用的ではない」のも事実です。